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2025年08月07日木曜日
ホームトレンド「腰痛治療で命を落とすとは…」神経ブロック注射後に患者死亡、環境サンプルから菌検出で波紋

「腰痛治療で命を落とすとは…」神経ブロック注射後に患者死亡、環境サンプルから菌検出で波紋

黄色ブドウ球菌検出、保健当局が緊急疫学調査を開始

江原道・江陵市(カンウォンどう・カンヌンし)にある医療機関で腰痛緩和を目的とした神経ブロック注射を受けた患者の一部に、頭痛や意識低下などの異常症状が発生し、保健当局が緊急の疫学調査に乗り出した。患者1人が死亡しており、感染との関連性を含めた原因究明が進められている。

江原道(カンウォンどう)は5日、先月28日に江陵市(カンヌンし)内の医療機関で神経ブロック注射を受けた複数の患者から異常反応の報告が寄せられたと発表。これを受け、同道と感染症管理支援団、江陵市、疾病管理庁が合同で疫学調査チームを編成し、翌29日から現地調査を開始した。

注射を受けた患者8人のうち1人が死亡し、5人が他病院に転院して入院中、2人はすでに退院している。

引用:Getty Images*この画像は記事の内容と一切関係ありません
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MSSA菌検出、感染源の特定へ

注目すべきは、患者の多くから採取された血液または脳脊髄液から、「メチシリン感受性黄色ブドウ球菌(MSSA)」が検出された点だ。MSSAは医療関連感染の主要原因菌の一つとして知られているが、法定感染症には指定されていない。

疫学調査チームは、注射剤やその準備過程に焦点を当て、使用器具や施術環境、医療従事者への聞き取りを含む計62件の検体を確保。江原道保健環境研究院の検査では、医療従事者の検体3件、環境検体13件から黄色ブドウ球菌が検出されており、疾病管理庁に遺伝子解析を依頼し、患者間の感染因果関係をさらに詳しく調べている。

当該医療機関は、保健当局の要請を受けて1日より自主的に休診措置を取った。

引用:Getty Images*この画像は記事の内容と一切関係ありません
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同一施術者269人を追跡調査

江陵市保健所は、過去2週間以内に同様の神経ブロック注射を受けた269人の患者について、健康状態の確認を進めるとしている。

医療機関の名称公表については、今後の疫学調査により関連性が明確になった時点で、調査チームの協議を経て決定される見通しだ。

江原道の関係者は「江陵市と協力して、同一施術を受けた患者の健康管理を継続し、追加の発症例にも細心の注意を払って監視していく」とコメントした。

今回の事例は、医療現場における感染管理体制の重要性を改めて浮き彫りにした形となり、保健当局は今後、類似ケースの再発防止策の検討に入るとみられる。

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