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2025年08月22日金曜日
ホームトレンド「ヒーロは誰が守るのか」災害現場で人を救った消防士、43.9%が心の不調に苦しみ自殺を考える人も

「ヒーロは誰が守るのか」災害現場で人を救った消防士、43.9%が心の不調に苦しみ自殺を考える人も

消防士のトラウマ、長期的なメンタルケア体制が必要

日本でも災害現場に出動した消防士がトラウマからうつ病を発症し、十分なケアが受けられないまま命を落とすケースが社会問題となっている。今回の韓国での出来事は、その深刻さを改めて浮き彫りにした。

梨泰院(イテウォン)雑踏事故現場に出動後、うつ病を患っていた30代の消防士パクさんが、行方不明になって10日後に遺体で発見された。

パクさんは2022年の事故現場に派遣されて以来、今年までに10回以上の心理カウンセリングを受けていたことが明らかになった。

19日、仁川(インチョン)消防本部などによると、パクさんは梨泰院雑踏事故が発生した2022年に消防庁が提供する心理カウンセリング9回を含め、これまでに計12回のカウンセリングを受けていた。

しかしパクさんは最近、家族や友人に謝罪のメモを残し、10日から行方不明となっていたが、20日正午過ぎ、始興市の高速道路高架下で遺体で発見された。

引用:パクさん家族制作チラシ
引用:パクさん家族制作チラシ

消防士のトラウマの実態と治療の限界

火災や災害現場に出動する消防士たちの間で、トラウマや心の病が深刻な日本でも社会問題となっている。

総務省消防庁が昨年実施した「消防職員メンタルヘルス実態調査」によると、全国の消防職員のうち 43.9%が心の不調に関するリスク群に該当すると判明した。内訳は、睡眠障害(27.2%)、飲酒問題(26.4%)、PTSD症状(6.5%)、うつ症状(6.3%)であり、複数の症状を抱える職員も少なくなかった。

さらに、回答者の 8.5%が過去1年間に自殺を考えた経験があると答え、精神的に特に危険な「高リスク群」とされた職員は4.9%にのぼった。消防庁は、この数字を「看過できない深刻な実態」として受け止め、カウンセリング体制の拡充や休養制度の見直しを急いでいる。

しかし、実際に専門的な治療や長期的ケアを受けている消防士はまだ少数にとどまっており、多くは「自然に回復すると思った」「症状を自覚していなかった」といった理由で支援に結びついていない現状も明らかになった。

専門家は「消防士のメンタルヘルス問題は、本人だけでなく社会全体の安全に直結する。より長期的で体系的な支援が不可欠だ」と指摘している。

引用:ニューシス
引用:ニューシス

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