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2025年08月27日水曜日
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【沈黙する中国】10万人超の被害者を生んだN番部屋型事件、対策は見えず

引用:depositphotos
引用:depositphotos

中国版N番部屋事件の被害者が10万人以上に上るにもかかわらず、中国当局が沈黙を続けていることに、海外メディアから強い批判が出ている。

先日24日(現地時間)「CNN」によると、テレグラムの中国語チャットルームで女性たちの非同意撮影物が大規模に流出した事実が明らかとなり、中国版N番部屋事件として注目を集めている。

事件は被害女性Aさんの告発によって表面化した。Aさんは元彼氏が自身の映像を該当チャットルームで共有していたことを知り、これを告発。このチャットルームでは恋人や職場の同僚、婚約者の写真が共有され、さらには超小型カメラで公衆トイレや地下鉄、ショッピングモール、病院の超音波室で違法に撮影された映像まで取引されていたという。

怒りに駆られたAさんはこの事実をネット上で暴露。問題のチャットルームは最終的に閉鎖されたが、同様のテレグラムチャットルームが1〜2万人規模のユーザーを抱えていることが新たに判明。一部の利用者は女性への暴行や脅迫を自慢し、写真に写った女性に対する暴言や中傷など、悪質な行為が広がっていた。

テレグラム側は通報されたチャットルームを即座に削除したと発表。しかし、電話番号ベースのアカウントブロックだけでは再犯防止に限界があるとの指摘も出ている。Aさんは被害女性たちと協力して、通報方法や対応策をネット上で情報共有した。

この過程で集会開催の提案もあったが、ある時点から被害告発の投稿や集会に言及した投稿が削除され始めた。中国当局による検閲だとの見方が出ているが、中国国家インターネット情報弁公室や公安部などは公式見解を示していない。

Aさんは「テレグラムチャットルームの被害者数はまだ全容が明らかになっていない。中国の女性は誰もが被害者になり得る。この問題が闇に葬られないことを願う」と語った。

韓国のいわゆる「N番部屋事件」では脅迫と金銭取引の構造が明確で、主犯への重刑判決と関連法の整備が迅速に行われた。一方、中国ではこうした対策が取られにくいとの見方が強い。その背景には韓国と中国の政治体制の違いがある。CNNは中国共産党政権が独立した市民運動を脅威と見なし、女性の権利運動にも厳しく対応してきた点を指摘している。

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