
中国のある企業が、長時間残業を行った従業員を称賛し、他の社員にも見習うよう促したところ、世論から激しい批判が寄せられた。
香港のサウス・チャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)によると、上海の電子商取引企業イサイ(Yisai)は6日、先月最も残業時間が長かった従業員15名のリストを公表したという。
最も残業時間が長かった従業員は、月間159.96時間の残業を行い、平均退社時刻は午後11時12分だった。
リストの最下位である15位の従業員でさえ、月間残業時間は68.41時間、平均退社時刻は午後8時56分となった。
会社側は「責任感を持って業務に取り組み、会社に大きく貢献した従業員がいる」として、これらの従業員を全社員のお手本として称賛した。
イサイの従業員数は約100名。主要な求人サイトに掲載された情報によると、勤務時間は午前8時30分から午後5時30分までとなっているという。
会社関係者は、最長の残業時間を記録した従業員について、他の部署よりも通常業務が忙しい部署に所属していると説明。
また、「会社が従業員に残業を強制しているわけではなく、時には従業員が自発的に残業するケースもある」と述べ、「会社が残業を指示した場合には手当が支給されるが、自主的な残業の場合は手当が支給されない」と付け加えた。
北京の天駿君泰法律事務所のカク・セイ(郭静)弁護士は、「中国の労働法では、雇用主が職員に対し1日1時間以上の残業を要求することは原則として禁じられている」と指摘した。
また、メディアによると、特別な状況下でも、1日3時間、月間累計36時間を超える残業は認められていないという。
この公表が外部に広まったことで、中国のオンライン上では大きな論争が巻き起こった。
ネットユーザーからは「これほど長時間働いてどうやって生きていくつもりだ」「残業を拒否すればすぐに他の人が立場を横取りする。これが中国の労働市場の現実だ」といった声が上がっている。
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