故障に落雷まで…ロシア戦略爆撃機、ミサイル撃てず帰還

2~3日の夜、ロシアがウクライナに大規模空爆を仕掛けた際、出撃した戦略爆撃機3機が相次いでトラブルに見舞われ、ミサイルを1発も発射できず帰還していたことが分かった。現地時間3日、ウクライナの軍事専門メディア「ミリタルニー」が報じた。
ロシアはこの日、大量のミサイルとドローンを投入して攻撃を行い、ツポレフ(Tu)160などの戦略爆撃機を動員した。しかしTu-160の1機は発射装置の故障でミサイルを撃てず、もう1機は飛行中に落雷を受け操縦席のガラスが損傷し、任務を断念して帰還した。さらに、機種不明の戦略爆撃機は西部エンゲルス空軍基地から離陸すらできなかったとされ、理由は明らかにされていない。

ミリタルニーは「2機が故障した事実は、現在のロシア軍需産業に戦略爆撃機を適切に維持・整備する能力が欠けていることを示している」とし、「機体寿命や部品消耗が原因である可能性が高い」と指摘した。さらに、ロシア軍の多くの戦略機を破壊した「スパイダーウェブ作戦」の影響の可能性もあると分析した。
昨年6月、ウクライナ保安局(SBU)はロシア本土イルクーツク州のベラヤ基地を含む5か所の空軍基地をドローン攻撃し、戦略爆撃機Tu-95MSや早期警戒機、輸送機など主要資産40機以上を破壊したとされる。専門家は、これによりロシアが保有する約120機の長距離戦略爆撃機のうち約20%が出撃不能になったとみている。

一方、Tu-160は旧ソ連時代の1970~80年代に開発された超音速戦略爆撃機で、Tu-95MSと並びロシアの空中核戦力の中核を担う。通常兵器や核兵器を搭載し、敵後方の重要拠点を攻撃する任務を担う。機体価格は1機あたり約5億ドル(約744億円)と、ロシア保有の爆撃機で最も高価とされ、現在16機が運用可能と推定されている。
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