スペインの環境活動家が、来年完成予定のバルセロナの象徴的建造物サグラダ・ファミリアの柱にペイントを吹き付け、損壊する事件が発生した。

31日(現地時間)AFP通信によると、スペインの環境団体「フツロ・ベヘタル(Futuro Vegetal)」の活動家2人は、サグラダ・ファミリアの外柱下部に赤と黒のペイントを吹き付け「気候正義」を訴えた。
警備員が直ちに制止し、2人を拘束した。
同団体は行為を収めた映像をSNSに投稿し「今夏イベリア半島を襲った山火事で各国政府が責任を回避していることに抗議しサグラダ・ファミリアの外壁に色粉を散布した」と説明した。
その後の声明で「今回の抗議行動を通じ現政府の気候危機対策の不備とその帰結として今夏スペイン全土や欧州各地を襲った山火事を告発する」と述べた。
欧州森林火災情報システム(EFFIS)によると、今年スペインでは山火事で4人が死亡し、焼失面積は3,820平方キロメートルに上った。被害はロンドン都市圏の2倍以上で、2006年の集計開始以来最大となった。
スペイン政府は今回の山火事を「近年、国内で発生した最大規模の環境災害の一つ」と位置付け、気候変動との関連性を認めた。ただし一部の火災は人為的要因によるものと推定されている。
攻撃対象となったサグラダ・ファミリアは、スペインの建築家アントニ・ガウディが設計したバルセロナの代表的観光名所で、ユネスコ世界遺産に登録され、年間500万人が訪れる。
1882年の着工以来100年以上にわたって工事が続くサグラダ・ファミリアは、着工から144年目でガウディ没後100周年となる来年、中央の「イエス・キリストの塔」(高さ172.5メートル)の完成をもって工事を終了する予定だ。
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