
中国・湖北省の名門、武漢大学が新入生オリエンテーションで使用した会場装飾が、日本国旗を連想させるとして物議を醸している。
サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)によると、問題となったのは会場中央に並べられた白い椅子に赤い円形のステッカーを貼った写真で、この画像は中国のSNS上で瞬く間に拡散された。
大学側は、椅子や学生・教職員の服装の色を組み合わせ、大学の英語表記「WHU」と創立年「1893」を表現する意図があったと説明した。また、赤や黄色、星型など様々なステッカーを使用したとしている。
しかし、一部のネットユーザーは「日本国旗を思わせる」と反発した。特に今年が中国の抗日戦争勝利から80年にあたる節目と重なったこともあり、批判が一層強まった。

SNS上では「名門大学に政治的センスが欠けている」「子どもでも気づくようなデザインを誰も問題視しなかったのか」「日本を崇拝しているのではないか」「学校の恥だ」といった非難が相次いだ。
論争が拡大すると、大学は今月5日に声明を発表し、「赤い円形ステッカーが誤解を招いた」として「深くお詫び申し上げる」と謝罪した。その上で「今後は細部にまで注意を払い、業務の厳格性を高める」とした。
それでも反発は収まらず、「大学は問題の重大性を理解していない。ただネット利用者の誤解に過ぎないと片づけてはいけない」と指摘する声もある。
一方、元グローバルタイムズ(GT)編集長の胡錫進氏は「今回の件は単なるミスや不注意による可能性が高い。社会があらゆる事象を過度に政治的に解釈する必要はない」との見解を示した。
武漢大学は、QS世界大学ランキング2026で中国トップ10に入り、世界186位に位置づけられている。
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