
イギリスの動物園で、雄と一度も接触したことのない雌イグアナが8匹の子どもを産み、世界中の生物学者の注目を集めている。
イギリスBBCの9月10日(現地時間)の報道によれば、バーミンガム近郊のテルフォード・エキゾチック動物園で飼育されていた雌のヘルメットイグアナが、8月末に8匹の子どもを出産した。このイグアナは雄との接触が全くなかったため、動物園のスタッフは驚愕した。
これは、受精していない卵が発生し、母親と同一の遺伝子を持つ子どもが生まれる「単為生殖」現象であると推測される。動物界では極めて稀な現象だ。
スコット・アダムズ園長は「雄なしで卵が受精したと確認した時は、本当に驚いた」と述べ、「動物界でも最も珍しい出来事のひとつだ」と語った。
アダムズ園長は「長年飼育していたイグアナが突然卵を産んだため、とりあえず孵化器に入れたところ、卵は白く健康そうに見えた」と説明し、「数か月後には8匹の仔が元気に動き回っていた」と付け加えた。
生まれた仔は全て雌で、母親と遺伝的に完全一致するクローンである。アダムズ園長は「みんな同じ時間に鳴くんだ」と冗談を交えて語った。
子どもたちは現在、動物園内の専門爬虫類育成室で24時間体制で温度と湿度の管理下に置かれており、成長中だ。数週間以内に一般公開される予定で、一部は他の動物園に移される計画だ。

絶滅の危機に直面した際に現れる生存戦略
単為生殖は自然界では極めて稀な現象だが、カゲロウ、七面鳥、ボールパイソンなど一部の種で報告されている。今年初め、米国ルイジアナの水族館において雌サメのみが飼育されている水槽で仔が誕生した事例もあった。一部の研究では、配偶相手を見つけるのが困難な状況下で、絶滅の危機に瀕した動物たちにおいて単為生殖がより頻繁に発生する可能性が示唆されている。
アダムズ園長は「予期せぬ状況下においても生命は道を切り拓くという強力な例だ」と述べ、「野生においても雄がいなくても個体群を維持できる可能性を示唆している」と説明した。
中央アメリカ及び南アメリカ原産のヘルメットイグアナにおける単為生殖は、世界各地の動物園で記録された数少ない事例のひとつである。
アダムズ園長は「この事例は、来園者に遺伝学、進化、並びに野生の爬虫類が直面する課題について語り合う素晴らしい機会を提供してくれる」と述べ、「単に興味深いだけでなく、科学および保全教育にとっても極めて重要な意味を持つ」と強調した。
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