
デンマークの研究チームがバルカン半島の伝統的発酵法を実験し、「アリで作るヨーグルト」を科学的に証明した。香港紙サウスチャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)は、コペンハーゲン大学とデンマーク工科大学の共同研究チームが、18日に国際学術誌「アイサイエンス」に「アリを利用した伝統的ヨーグルト発酵法」に関する実験結果を公開したと報じた。
研究チームは、共著者であり人類学者のセヴギ・ムトル・シラコヴァ氏(Sevgi Mutlu Sirakova)の故郷であるブルガリアの村を訪れ、現地住民から直接製法を学んだ。

コペンハーゲン大学の研究員であるヴェロニカ・M・シノット氏(Veronica M. Sinotte)は、「温かい牛乳1本にアリ4匹を入れ、布で密封した後、一晩アリの巣に置いた」と実験の過程を説明した。
翌日、牛乳にはヨーグルト特有のとろみと酸味が現れ始めた。研究チームは、アリが乳酸菌と酢酸菌を含むため牛乳の凝固を助け、さらにアリの酸性体液が発酵を促進すると分析した。

研究責任者であるレオニー・ヤーン氏(Leonie J. Jahn・デンマーク工科大学)は、「現代の商業用ヨーグルトは少数の菌株しか用いないが、伝統的な方法では、地域や季節といった環境要因により、はるかに多様な菌が存在する」と述べ、「その分、味や食感も豊かになる」と説明した。
研究チームは、生きたアリ、冷凍アリ、乾燥アリを用いて発酵過程を比較した。その結果、生きたアリのみが適切な微生物群を形成し、ヨーグルト製造に最も効果的であることが明らかになった。
ただし、安全性には十分な注意が必要である。研究チームは「生きたアリには寄生虫が存在する可能性があるため、食品安全の知識がない場合は絶対に試してはいけない」と警告している。
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