
誘拐から身を守るために顔に刺青を入れたという、中国の少数民族「トーロン族」の女性たちの独特な習慣が伝えられた。
先月30日、『サウスチャイナ・モーニング・ポスト』(SCMP)によると、中国政府が公式に認めた56の少数民族の一つであるトーロン族の現在の人口は約7,000人に過ぎないと報じられている。同民族は、中国南西部雲南省貢山(こうさん)トールン族ヌー族自治県の河辺地域に居住している。
顔の刺青はトーロン族の女性にしか見られない稀少で痛みを伴う習慣であり、通常12〜13歳の時に行われる。 針を使ってトネリコの木やワラビの汁を顔の皮膚に刺し込み、青緑色の模様を刻む。この施術は丸一日かかり、その後数日間、激しい痛みや腫れ、発疹が続く。
刺青の形はクモ、蝶、花などを模して作られ、地域によって形が若干異なる。 上流で暮らす女性たちは顔全体を覆う刺青を、下流で暮らす女性たちは顎の部分に刺青を入れるとされる。
この習慣の起源には二つの説がある。一つは、顔の刺青が外部の部族による誘拐を防ぐ手段だったという説だ。トーロン族は刺青が女性を魅力的に見せなくすると信じていた。もう一つは、刺青が成年女性を象徴し、この儀式を行った後でなければ結婚は許されなかったというものだ。
しかし、1950年代に中国政府がこの習慣を禁止したため、顔の刺青の習慣は次第に消えていった。現在、顔に刺青を入れたトーロン族の女性は20人もおらず、ほとんどが75歳以上の高齢者だ。













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