酔った男性が背後から接近し身体を接触
シェインバウム大統領、笑顔で「心配しないで」と対応

メキシコ史上初の女性国家元首であるクラウディア・シェインバウム大統領(63)が、セクハラを受ける様子が撮影された映像がSNS上で拡散し、波紋を呼んでいる。
4日(現地時間)AP通信によると、XなどのSNSには、同日メキシコシティ中心部の繁華街で市民と交流していたシェインバウム大統領に、男性がシェインバウム大統領に身体的接触を試みる場面を撮影した映像が投稿されたという。
映像には、市民と会話していたシェインバウム大統領の背後から男性が近づき、肩に手を置いたあと、左頬にキスをする様子が収められていた。さらに両手を大統領の胸元に伸ばそうとした瞬間、周囲の関係者によって制止された。
大統領が振り向いて男性を見つめる間も、男は再び肩に手を伸ばそうとした。しかし、関係者らがすぐに押しのけたとされている。シェインバウム大統領は笑顔を保ちながら「心配しないでください」と述べたという。
SNSでは「男性が酔っていたようだ」という声も上がっている。AP通信はメキシコ大統領府に当事件について見解を求めたが、回答は得られなかったと伝えた。

SNSで映像拡散…大統領府は沈黙
工学博士で大学教授を務めた経歴を持つシェインバウム大統領は、メキシコシティ市長を経て昨年の第66代大統領選で当選し、メキシコ史上初の女性大統領となった。
メキシコでは20年以上にわたり、麻薬カルテルや請負殺人などの暴力犯罪が続いており、シェインバウム大統領も就任直後から麻薬組織対策に全力を注いでいる。
しかし、過去の右派政権による「麻薬との戦い」政策でも組織壊滅には至らず、むしろ犯罪組織が乱立して抗争が続く状況が続いている。こうした中、左派傾向のシェインバウム大統領は、公教育や福祉の強化、雇用創出などを通じて市民が麻薬犯罪に関わらないようにする治安政策を展開している。
それにもかかわらず、市長や市議会議員、メディア関係者を狙った暴力事件は後を絶たず、ここ数か月の間にも複数の政治家が殺害された。このためメキシコでは「暴力組織への対応が不十分だ」との批判が高まり、シェインバウム政権の退陣を求める抗議デモも発生しているという。














コメント0