
大谷翔平は毎試合最初の打席で相手のダッグアウトに向かって帽子を取って挨拶するルーティンを持っている。尊敬の意を表しているのだ。
しかし最近サンディエゴ・パドレスとの試合ではこのルーティンを行っていないことが話題になっている。ドジャースのニュースを扱うドジャース・ネーションは24日(日本時間)「大谷が、尊敬の欠如(事件)以降パドレス監督にヘルメットの敬礼を中止した」というタイトルでこの事実を取り上げた。
過去数シーズンの間、パドレスとドジャースは非常に激しいライバル関係を形成してきた。
この事実はシーズン初の両チーム間の緊張感に満ちたシリーズがベンチクリアリング乱闘で終わった時に最も明らかになった。
6月に行われたシリーズだった。前の3試合でアンディ・パヘスが2回、大谷が1回死球を受けた。サンディエゴではフェルナンド・タティス・ジュニアが2回戦で当たった。
激昂した両チームの選手たちの感情は20日に爆発した。サンディエゴが5-0でリードしている9回1死1塁でメジャーリーグ・デビューを果たしたドジャースの新人投手ジャック・リトルが投げた球がフェルナンド・タティス・ジュニアの肘を強打した。
大きな音と共に球に当たったタティス・ジュニアは倒れ、マイク・シルト監督が激昂した顔でドジャースのダッグアウトの方向に向かった。
デーブ・ロバーツ監督もシルト監督に歩み寄った。ドジャースの中継陣によると、ロバーツ監督はシルト監督に「後で話そう」と叫んだという。
ダッグアウトを飛び出した両監督と共に両チームの選手たちも入り乱れた。ロバーツ監督とシルト監督が退場となり、状況が収まった。
そして続くドジャースの9回攻撃。トミー・エドマンの1打点適時打と金慧成(キム・ヘソン)のゴロでドジャースが2-5まで追い上げた。
2死3塁で大谷が打席に入った。サンディエゴの投手ロベルト・スアレスはボールを3つ連続で投げた。ボールカウント3-0でスアレスが投げた99.8マイル(160.6マイル)のファストボールが大谷の体に当たった。
明らかに報復球を疑える場面だった。クレイトン・カーショーが激怒して叫び、ドジャースの選手たちが再び球場に駆け出そうとする雰囲気が生まれた。
しかし大谷が1塁に歩み出し、ドジャースのベンチに向かって左腕を上げた。「大丈夫だ」というジェスチャーで激昂したドジャースのベンチの雰囲気を鎮めたのだ。

主審はスアレスが投げた球を報復球と判断し退場を命じた。しかしこの時大谷が見せた行動も印象的だった。退場に伴う投手交代で試合が一時中断された時、大谷はサンディエゴのダッグアウトに近づき、にこやかに話をした。固まっていたサンディエゴの選手やコーチ陣の顔も大谷の笑顔と共に和らいだ。
試合後シルトはこの事件に対する不満を表明し、スアレスが故意に大谷を当てたのかについて明確に否定しなかった。
「ある瞬間になると、もう『十分だ』という考えが浮かぶ。故意であろうがなかろうが、重要なのは私がその状況を受け入れられなかったという点だ」と不満を述べた。
ドジャース・ネーションは「この事件以降、大谷はパドレスのダッグアウトに敬礼をしなくなり、時が経ってもその出来事を忘れていないことを示している」と説明した。
偶然にもシルト監督は今シーズンをもってサンディエゴで解任された。したがって大谷が次のシーズンにサンディエゴのベンチに対して再び挨拶をする可能性も残されている。













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