
日本で家事や育児を担う、いわゆる「専業主夫」が急速に増えていると日本経済新聞が8日報じた。女性の就業が拡大する中、夫が配偶者の扶養に入るケースが増えているという。
厚生労働省が同日発表した資料によると、会社員や公務員の配偶者に扶養される国民年金第3号被保険者のうち、男性は2024年度末時点で13万2,630人だった。前年より3.1%増加し、1994年度と比べると約2.9倍に増えた。
国民年金第3号被保険者は、会社員や公務員など厚生年金の加入者に扶養されている、20歳以上60歳未満の配偶者を対象とする。本人が国民年金保険料を直接納めなくても基礎年金を受給でき、健康保険の被扶養者となれば、保険料を負担せずに医療保険を利用できる。
年代別では、30代の増加がもっとも目立った。2024年度末時点で、30代男性の第3号被保険者は約3万3,000人と、10年前より50%増えた。50代は約5万7,000人で20%近く増加し、40代は3万6,000人で6%増えた。20代には大きな変化がなかった。
以前は、早期退職や失業などの経済的事情から配偶者の扶養に入るケースが大半だった。しかし最近では、働き盛りの30代男性が「専業主夫」になるなど、家庭内の役割分担の変化が反映されているとの見方も出ている。
こうした変化は、女性の就業拡大と関係している。共働き世帯や単身世帯が増える中、第3号被保険者の総数は大幅に減少した。2024年度末時点では640万8,070人で、30年前の半分程度となっている。
年収が130万円を超えて配偶者の扶養から外れ、厚生年金に加入する女性も増えている。2024年度末時点の女性の厚生年金加入者は1,756万人で、10年前より30%増加した。
ニッセイ基礎研究所の中嶋邦夫上席研究員は「経済的に自立した女性が増え、男性が一時的に配偶者の扶養に入るケースも増えている。」と説明した。
一方、制度本来の趣旨が薄れているとの指摘もある。第3号被保険者制度は本来、専業主婦が離婚や死別によって無年金となることを防ぐために導入された。しかし最近では、多額の金融資産を持つ人が一時的に配偶者の扶養に入るケースも少なくない。
自営業者は配偶者の分も国民年金や健康保険の保険料を負担する必要があるため、公平性をめぐる議論も強まっている。第3号被保険者制度が、パート労働者の「年収130万円の壁」を生み、就業時間を抑える一因になっているとの批判も根強い。
こうした状況を受け、自民党と日本維新の会は昨年、連立政権合意書に第3号被保険者制度の見直しを盛り込んだ。厚生労働省は今年中に、制度の利用実態や加入に至った背景などを調査する予定としている。















コメント0