メインメニューへスキップ(上段) メインコンテンツへスキップ メインメニューへスキップ(下段)

走らぬ米国車、響かぬトランプの声…米国車「敗北の本質」と、日本市場に通用する条件とは?

織田昌大 アクセス  

日本市場で米国車が苦戦を強いられている。4月に行われた日米初の関税交渉の場では、ドナルド・トランプ米大統領が「日本では米国車がまったく走っていない」と発言し、注目を集めた。

昨年、日本で販売された米国車は、1996年のピーク時と比べて約77%急減した。新車販売全体に占める米国車のシェアはわずか0.4%程度にとどまる。トランプ大統領は安全基準などの「非関税障壁」が原因だと主張したが、市場関係者の間では「それが主な要因ではない」との声も多い。なぜ米国車は日本で売れなくなったのか。

日経新聞によると、昨年に日本で販売された米国車は約1万6,700台だという。新車販売総数(442万1,494台)に占める割合はわずか0.38%だった。輸入車全体(22万7,202台)における米国車のシェアも7.4%にとどまっている。

輸入車販売台数の首位は独メルセデス・ベンツ(5万3,195台)、2位も同じくドイツのBMW(3万5,240台)で、米国車はジープが9,633台で7位だ。ゼネラル・モーターズ(GM)のシボレーは587台、キャデラックは449台にすぎなかった。

かつては米国車が人気を集めた時期もある。1990年代にはブームが起き、1996年には約7万2,900台が販売された。フォード、GM、クライスラーの「ビッグ3」が中心となり、特にシボレーのミニバン「アストロ」などが人気を集めた。

しかしその後、販売が減少の一途をたどり、2009年には約8,700台にまで落ち込んだ。2016年にはついにフォードが日本市場から撤退。日本の狭い道路事情に合わない大型車や、燃費の悪さが敬遠される要因となった。伊藤忠総研の深尾三四郎エグゼクティブ・フェローは、当時の米自動車メーカーについて「顧客対応も十分でなかった」と分析している。

そうした中、比較的健闘を見せているのがジープだ。主力車種である「ラングラー」などを米国から輸入しつつ、日本市場に対応した右ハンドル仕様を導入している。ジープを展開するステランティス・ジャパンの成田仁社長は、「日本市場の参入にあたって非関税障壁を感じたことはない」と述べ、「顧客が求める形で提供することが何より重要だ」と強調した。

一部の米国車メーカーも、ようやく日本市場への対応に乗り出している。キャデラックは今年3月、日本で約12年ぶりに右ハンドルを採用した電気自動車(EV)を投入。今後の需要開拓を目指す構えだ。世界的に不買運動が展開されるテスラは、日本では堅調に販売を伸ばしている。日本の自動車メーカーによるEV展開の遅れが追い風になっている。深尾氏は「日本市場に適した電気自動車を出せば、米国車にもチャンスはある」と話す。

一方で、トランプ大統領は日本の充電規格にも不満を表明しているが、中国のBYDは日本仕様に対応した軽自動車を投入するなど、市場攻略に積極的だ。日本メーカーの牙城を崩す姿勢をとっている。

政府は現在進行中の日米関税交渉において、米国車の輸入拡大を関税撤廃の対価として検討している。ただし、非関税障壁が一部解消されても、日本市場に適した車がなければ販売は難しいとの見方が大勢を占めている。依然として米国車は左ハンドル車が多く、燃費に対するマイナスイメージも根強い。

東京大学公共政策大学院の鈴木一人教授は「すべての失敗を他者のせいにし、自らの非を認めようとしない心理の表れだ」と指摘。その上で、「日本は可能な限り誠意をもって対応しつつ、なぜ米国車が売れないのかを理解してもらうしかない」と述べた。

織田昌大
odam@kangnamtimes.jp

コメント0

300

コメント0

[車] ランキング

  • 「ホンダ、米国でアコードハイブリッド25万台をリコール」ソフトウェア不具合で走行中に“駆動力喪失”の可能性
  • 「最強のはずが…」テスラ『サイバートラック』、わずか2年で10度目のリコール
  • スズキとBYD、「ジャパンモビリティショー」で軽EV市場に参入…本格的な価格競争が始動か
  • 「トランプへの“手土産”か?」…トヨタ、米国製車を日本に逆輸入へ
  • 【EV覇権崩壊】「テスラ神話」ついに終焉か…米シェア急落で中国・韓国勢が猛攻、日本メーカーはどうする?
  • 人類初の「空飛ぶ電動クルマ」が米国上空で衝撃の試験飛行!垂直離着陸・180km飛行の驚異スペック公開

こんな記事も読まれています

  • 「品質が持たない」テスラに“10年最悪の烙印”、検査が暴いた致命的欠陥率…EV覇者の失速か
  • 「ポルシェが封印技術を再設計」水噴射で内燃機関の限界を押し広げる
  • 「韓国で“軽量FRの逆襲”始まる」大型化一辺倒の韓国でMX-5が異例の注目を集める理由
  • 「メーターを見る一瞬が危ない」SHOEIが世界初の完全統合ARで安全常識を覆す
  • 「巨大地震の可能性も」…青森・八戸で深夜に震度6強の地震発生!専門家警告「この1週間が危ない」
  • 「勝手に動かすな」議会がトランプ案を却下、在韓米軍は維持
  • 「トランプ、完敗か」関税攻勢でも中国の年間貿易黒字が初の1兆ドル突破…国内では“黒字縮小”論も?
  • 「威嚇でしか存在感を示せないのか!」中国空母「遼寧」が沖縄近海で見せた“稚拙な挑発”

こんな記事も読まれています

  • 「品質が持たない」テスラに“10年最悪の烙印”、検査が暴いた致命的欠陥率…EV覇者の失速か
  • 「ポルシェが封印技術を再設計」水噴射で内燃機関の限界を押し広げる
  • 「韓国で“軽量FRの逆襲”始まる」大型化一辺倒の韓国でMX-5が異例の注目を集める理由
  • 「メーターを見る一瞬が危ない」SHOEIが世界初の完全統合ARで安全常識を覆す
  • 「巨大地震の可能性も」…青森・八戸で深夜に震度6強の地震発生!専門家警告「この1週間が危ない」
  • 「勝手に動かすな」議会がトランプ案を却下、在韓米軍は維持
  • 「トランプ、完敗か」関税攻勢でも中国の年間貿易黒字が初の1兆ドル突破…国内では“黒字縮小”論も?
  • 「威嚇でしか存在感を示せないのか!」中国空母「遼寧」が沖縄近海で見せた“稚拙な挑発”

おすすめニュース

  • 1
    「富豪の皆さん、カモーン!」スイス“新課税案”に78%が反対 “金持ち優遇国家”の地位を再確認

    ニュース 

  • 2
    「標高1,800mでサッカー!?」ロシア男性、“天空のサッカー場”でボール蹴り、世界記録挑戦!

    トレンド 

  • 3
    「本当に俺の子なのか?」元彼の一言に激怒、マンション11階から赤ちゃんを突き落とす!

    トレンド 

  • 4
    「ロシア軍需の心臓部が停止!」ウクライナ、ロシア重要データ“165TB”を破壊、物流システムに壊滅的打撃

    ニュース 

  • 5
    「米国は依然として最大の同盟国」...EU、トランプ政権の”強硬姿勢”に委縮?米国との“関係修復”を強調

    ニュース 

話題

  • 1
    母ワシ、“警告なしの急襲” 雛を狙う大蛇に一撃、崖上で起きた逆転劇

    フォトニュース 

  • 2
    米英の新型ハイブリッドが超音速時代を再起動、マッハ3の壁が崩れる

    トレンド 

  • 3
    「社会の分裂と対立を煽るな!」中国が海外メディア呼び出し、“レッドライン警告”

    ニュース 

  • 4
    掘削孔すべてで金検出“異例の結果”、中国が金市場を揺らす

    トレンド 

  • 5
    「その値段ならたい焼き機が買える」ルイ・ヴィトン新作が物議、文化オマージュか高級商法か

    トレンド 

シェア

[cosmosfarm_share_buttons url="https://dailyview.net" title="ピッコン" align="center"]