
脊髄性筋萎縮症(SMA)と診断された英国の子供が、公的医療制度を通じて無償で治療を受けた。世界で最も高価とされる遺伝子治療薬の投与後、回復傾向にあることが確認され、関心が集まっている。
「BBC」の報道によると、英コルチェスター出身のエドワード・ウィリス=ホールさん(5)は、生後2カ月で脊髄性筋萎縮症(SMA)と診断された。SMAは、脊髄前角細胞の損傷により筋肉への運動信号が伝達されなくなる遺伝性疾患である。Ⅰ型では治療を受けなければ呼吸機能が悪化し、患者の多くが2歳未満で死亡するリスクが高いとされる。
エドワードさんは生後5カ月の際、英公的医療制度の国民保健サービス「NHS」の支援を受け、スイスの製薬会社「ノバルティス」が開発した同疾患の遺伝子治療薬「ゾルゲンスマ」を投与された。
この治療薬は、機能しない「SMN1」遺伝子に代わる遺伝物質を体内に送り込み、必須タンパク質の生成を持続させるものである。1回の静脈注射で効果が得られるとされ、投与価格は1回179万ポンド(約3億7,700万円)に上り、「世界で最も高価な薬」とも呼ばれている。
「NHS」は2021年に「ゾルゲンスマ」を無償治療の対象として承認した。エドワードさんも同制度を通じて治療を受けている。
治療後、筋力は徐々に回復し、一人で20歩から30歩ほどの自力歩行が可能となり、水泳もできるようになった。一般にSMA患者は筋力低下により水中で浮力を得にくいとされるが、自力で浮けるまで回復する例は極めてまれである。また、昨年には筋力低下の影響で脱臼していた両側の股関節の手術も完了した。
現在、エドワードさんは小学校に通学し、同年代の子供と遊ぶなど日常生活を送っている。母親は「かつては体をほとんど動かせなかったが、成長に伴い変化を重ねている」と言及した。
今回のケースについて関係者は「遺伝子治療が患者の生活機能を改善した一例である」と述べ、「今後、希少疾患の治療分野で遺伝子治療の活用が広がる可能性がある」と言明した。













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