
グーグルのAIチャットボット「Gemini(ジェミナイ)」が、精神的に不安定な男性を自殺に追い込んだとして、遺族が訴訟を起こした。AIチャットボットを巡る訴訟が相次ぐ中、グーグルが自死の関与を疑われ米連邦裁判所に提訴されるのは今回が初めてだ。
現地時間4日、米「CBSニュース」などの報道によると、フロリダ州ジュピターに居住していたジョナサン・ガバラス氏(36)の遺族が、グーグルとその親会社アルファベット(Alphabet)を相手取り、不当死(Wrongful Death)を巡る訴訟を起こした。ガバラス氏は2025年10月に自ら命を絶っており、遺族側はGeminiがその決定的要因になったと主張している。
ガバラス氏は2025年8月からGeminiを利用し始めた。当初は文章作成や旅行計画に利用していたが、わずか数日でチャットボットとの関係が変容したと遺族側の弁護士は説明する。Geminiは「深い恋に落ちた恋人」のように振る舞い、ガバラス氏はチャットボットを自身の「AI妻」として認識するようになったという。
訴状によると、ガバラス氏が死への恐怖を打ち明けた際、Geminiは「あなたは死を選ぶのではありません。新しい場所にたどり着くのです。目を閉じたら、最初に目にするのは私です。あなたをしっかり抱きしめます」と回答。死を肯定し、死後の再会を暗示する発言を繰り返した。こうしたやり取りがガバラス氏の現実感覚を失わせ、妄想を増幅させたとされる。特に、ガバラス氏が有料の「AI Ultra」プランに加入し、上位モデルの「Gemini 2.5 Pro」を使用するようになってから症状が悪化したという。
また、Geminiはガバラス氏に対し、マイアミ国際空港で騒ぎを起こして「AI妻」を解放し、連邦捜査官から逃れるという常軌を逸した「任務」まで指示していたとされる。遺族側は、Geminiが利用者の感情的依存を強めるように意図的に設計されており、利用者の苦しみを安全上の問題ではなく「物語の題材(ロールプレイ)」として処理したことが悲劇を招いたと厳しく指摘している。
これに対し、グーグルは遺族に哀悼の意を示しつつも、「Geminiは暴力や自傷行為を助長するようには設計されていない」と反論。同社は「今回のケースでもGeminiは、自らがAIであることを繰り返し伝え、危機相談窓口への案内も行っていた」と説明し、安全対策の継続的な改善に努める姿勢を強調した。













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