
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領が最近、ロシア本土を標的としたウクライナの大規模ドローン攻撃で命を落とすところだったと、ロシア国営タス通信が27日(現地時間)に報じた。
ロシア防空部隊司令官のユーリー・ダシキン氏は同日、タス通信に対し「プーチン大統領が20日にクルスク前線を訪問した際、この地域は敵(ウクライナ)の大規模ドローン攻撃を撃退する最前線だった」と述べ、「我々は防空作戦を実施し、大統領搭乗ヘリの安全な飛行を確保しなければならなかった」と語った。
さらに「今回のクルスク訪問時、プーチン大統領の搭乗していたヘリに対して大規模なドローン攻撃があり、大統領はこの攻撃から生還した」とし、「ドローンは撃退され、全て破壊された」と付け加えた。

これに先立ち、プーチン大統領は20日にクルスク州を訪問した際、この地域で活動するボランティアや当局者らと会談し、クルスク第2原子力発電所建設現場などを視察した。
クレムリンはプーチン大統領のクルスク前線訪問を事前に公表しなかった。全日程を終え、クルスク地域を離れた後に初めて訪問事実が明らかにされた。

英紙テレグラフは「ドローン攻撃が事実なら、ウクライナ軍が事前にプーチン大統領の戦争地域訪問情報を把握していた可能性がある」と指摘した。
さらに「今回の攻撃は2022年のウクライナ侵攻開始以降、プーチン大統領を狙った最も直接的な攻撃の試みの一つとして記録されるだろう」とし、類似事例として2023年5月に無人機がモスクワのクレムリン上空まで接近し爆発した事件を挙げた。
当時、ロシアはウクライナが無人機でプーチン大統領暗殺を企てたと主張したが、ウクライナのゼレンスキー大統領はこれを否定した。
今回のクルスクでのドローン攻撃主張に関し、ウクライナは特に立場を表明していない。
また、クレムリンの主張に関連し、ドナルド・トランプ米大統領はそのような事実を全く知らなかったと述べた。
トランプ大統領は「その(プーチン大統領に対するドローン攻撃の)話は聞いたことがない」とし、「ロシアが先週末ウクライナに大規模なドローンとミサイル攻撃を行った理由が、その件かもしれない」と語った。

これに先立ち、トランプ大統領は先週末のロシアによるウクライナの首都キーウを含む全土へのドローン約900機とミサイル攻撃を受け、「非常に不満だ。プーチンは多くの人名を奪っている。一体何が起きているのか分からない」と非難した。
続けて「我々が(終戦に向けた)対話を進めている最中に、プーチンはキーウや他の都市にロケットを発射している。非常に気に入らない」と述べた。
彼は自身のSNSであるトゥルース・ソーシャルで「(プーチンが)完全に狂っている(absolutely CRAZY)」と強く非難した。
クレムリンのドミトリー・ペスコフ報道官は26日、トランプ大統領の発言について「今は非常に責任ある時期であり、これは全ての感情的過剰反応に関連している」とし、「全ての反応を注意深く見守っている」と述べた。