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2025年05月29日木曜日
ホームトレンド世界王者の自尊心を賭けて!トヨタが放つソフトウェア革命「アリーン」、デジタル化下位3位からの大逆襲

世界王者の自尊心を賭けて!トヨタが放つソフトウェア革命「アリーン」、デジタル化下位3位からの大逆襲

「カローラの一部生産ライン、イギリスへの移管を計画」

引用:depositphotos*この画像は記事の内容と一切関係ありません
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世界最大の自動車メーカーであるトヨタ自動車が、車載ソフトウェア分野において他社に遅れを取っている現状を打破するため、自社開発のオペレーティングシステム(OS)を導入する計画であることが明らかになった。

27日付の英紙「フィナンシャル・タイムズ」によると、トヨタは来年3月までに、主力SUV「RAV4」に独自ソフトウェアプラットフォーム「Arene(アリーン)」を搭載する予定だという。

このプラットフォームは、トヨタのモビリティ技術子会社「ウーブン・バイ・トヨタ」が7年に及ぶ研究の末に開発したもので、車線維持支援や自動駐車といった運転支援機能に加え、マルチメディアやエンターテインメント機能を備え、OTA(無線)によるアップデートにも対応する。

トヨタはこのプラットフォームを足がかりに、自動運転技術の基盤を構築するとともに、走行データの蓄積を通じて各種デジタルサービスを展開し、既にこの分野で先行する他社に追いつくことを目指している。

ウーブン・バイ・トヨタのCTO(最高技術責任者)であるジョン・アプスマイヤー氏は、「当社を含む世界中が中国市場の動向に注目している。今後も優位性を維持するためには、新たなプラットフォームの存在が重要な鍵となるだろう」と述べた。

堅牢な車体づくりで知られるトヨタだが、ソフトウェア分野では後れを取っているとの指摘がある。米調査会社ガートナーによる「自動車メーカーデジタル化指数」では、トヨタは昨年、下位3位にランク付けされた。テスラ(米国)やニオ、シャオペン(ともに中国)といった電気自動車メーカーが大きくリードしている。

ただし、車載OSの開発と導入は容易ではない。ボルボやメルセデス・ベンツなども新製品で不具合が生じたほか、独フォルクスワーゲンも社内開発のソフトに問題があったため、米EVメーカーのリヴィアンと提携し、改良を進めている。

ウーブン・バイ・トヨタでAreneの導入を担当するジャン=フランソワ・カンポ氏は、「車載ソフトとハードウェアの統合は極めて大きな課題であり、両者はまったく異なる世界の技術だ」と語った。

一方、ロイター通信は関係者の話として、トヨタが現在日本国内で生産している「GRカローラ」の一部をイギリスの工場に移管し、同地で生産した車両を北米市場に輸出する計画であると報じた。

同計画には約5,600万ドル(約80億9,301万円)の投資が見込まれており、英工場を活用することで納期短縮を図る狙いがあるという。ただし、関係者によれば、これはアメリカの自動車関税措置に対応するものではないとのことだ。

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