【写真：Shutterstock】水を一杯飲み、オートミールを一皿、そしてリンゴを一切れ。健康のために始めたはずの朝食が、実は思いもよらぬ病気を招く可能性があるという。最近、英国の健康専門家によると、一般的に「体に良い」とされる一部の食品が、関節炎の一種である「痛風」のリスクを高める可能性があると警鐘を鳴らしている。痛風は尿酸が体内に過剰に蓄積されることで発症し、激しい関節痛や腫れを引き起こす。英国で健康コーチングプログラムを手がけるドミニカ・ブロンスカ氏は、痛風の主な原因は「プリン体」にあると語る。プリン体は体内で尿酸に変換され、この尿酸が血中に溜まることで炎症を引き起こし、結果として痛風を招くのだという。プリン体といえば赤身肉や内臓など高タンパク・高脂肪な食品に多く含まれているイメージが強いが、ブロンスカ氏は「実は健康食品とされる食品の中にもプリン体が多く含まれているものがある」と指摘する。痛風患者や尿酸値が高めの人にとって、特に注意すべき5つの食品を紹介する。
【写真：Shutterstock】まず挙げられるのが、スーパーフードとして名高いほうれん草とアスパラガスだ。これらの野菜はビタミンや抗酸化物質が豊富で一見健康的だが、プリン体の含有量が比較的高く、尿酸の生成を促進する可能性がある。もちろん肉類ほどの影響はないものの、頻繁に摂取すればリスクとなりうる。代わりに、ブロッコリー、サニーレタス、きゅうりなど、プリン体の含有量が低い野菜を選ぶことが推奨される。トマト、パプリカ、ズッキーニも同様にプリン体が少なく、抗酸化成分も豊富で、痛風予防に効果が期待できる。
【写真：Shutterstock】次に注意すべきは、果糖を多く含む果物だ。ブドウやリンゴのような甘味の強い果物には果糖が豊富で、これはエネルギーに変換される際に尿酸の生成を伴う。特にジュースにすると食物繊維が除かれ、糖分だけが急速に吸収されてしまうため、血中尿酸値が一気に上昇する恐れがある。果物はなるべく生のまま食べ、選ぶ際にはブルーベリー、グレープフルーツ、キウイのように果糖が少なく抗酸化成分の多い種類を選ぶのがよい。特にグレープフルーツはビタミンCが豊富で尿酸値を下げる効果が期待でき、キウイは水分と食物繊維が多く、代謝のバランス維持に貢献する。
【写真：Shutterstock】三つ目は、朝食の定番でもある全粒穀物だ。オートミールや大麦、ふすまなどは食物繊維が豊富で腸に良いとされるが、実は意外にもプリン体が多い。特に毎日のように摂取することで、プリン体が体内に蓄積し、痛風の再発を引き起こす可能性がある。
【写真：Shutterstock】四つ目は、レンズ豆やヒヨコ豆、大豆ミートなどの植物性タンパク質食品だ。最近ではビーガン食やダイエット志向の高まりから注目されているが、これらもプリン体の含有量が高く、過剰摂取により尿酸値を上昇させるリスクがある。菜食中心の人ほど、たんぱく質の摂り方に慎重になる必要がある。
【写真：Shutterstock】そして最後は、健康的なイメージがあるノンアルコールビールだ。通常のビールに比べてヘルシーな選択肢に見えるが、麦芽や酵母がそのまま使用されているため、酵母に含まれる核酸が体内でプリン体に変換される。頻繁に飲むことで尿酸値を高める可能性があるため注意が必要だ。喉の渇きを癒すためにノンアルコールビールを頻繁に飲むと、かえって尿酸値が上昇する可能性がある。代わりに、ハーブティーや無糖の炭酸水など、プリン体の負担が少ない飲み物を選ぶのが賢明だ。痛風は一度発症すると慢性化しやすく、突然の激痛が日常生活に大きな支障をきたす。さらに放置すれば関節機能にも悪影響を及ぼすおそれがある。健康的な食生活を心がける中で、いわゆる「健康食品」のイメージだけを信じるのではなく、体内での代謝との関係など、科学的な根拠にも目を向けることが重要だ。