
米トランプ政権2期目の政府効率化省(DOGE)長官職を辞したテスラのイーロン・マスクCEOが3日(現地時間)、ドナルド・トランプ米大統領を厳しく批判した。
マスクCEOは同日、自身のソーシャルメディアX(旧Twitter)への投稿で、トランプ大統領の象徴的な減税案を「不快で忌まわしいものだ(a disgusting abomination)」と非難した。
昨年の大統領選でトランプ大統領への支持をシリコンバレーから引き出し、巨額の政治資金も提供して彼の当選を後押ししたマスクCEOが、トランプ大統領との関係を断ち切る可能性のある発言をソーシャルメディアに投稿した。
マスクCEOは同日Xに投稿した一連の文章で、下院を通過し現在上院で反発に遭っているトランプ大統領の減税を含む予算案を「巨大で、衝撃的で、豚だらけの議会の予算案」と批判した。さらに「これに賛成した者たち(下院議員)は恥を知るべきだ」と述べ、「あなたも間違いだと分かっているはずだ。あなたもそれを知っているはずだ」と続けた。
フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、マスクCEOのこの日の投稿は、トランプ大統領が強硬な財政保守派のランド・ポール上院議員(共和党・ケンタッキー州)を批判してから数時間後に投稿されたという。ポール上院議員は、トランプ大統領が「大きくて美しい法案」と自賛した予算案に反対していた。
トランプ大統領の予算案は先月、わずか1回の採決で下院を通過し、現在上院で審議中だ。しかし、上院では民主党だけでなく与党・共和党議員の一部からも批判を受けている。
先月、国際格付け会社ムーディーズが膨大な負債を理由に米国の国家信用格付けをAaaからAa1に一段階引き下げた中、米国の財政赤字を大幅に拡大させる予算案が果たして妥当なのかという批判が出ている。