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中国経済「最悪シナリオ」でアジア全体に衝撃波?対米輸出激減も関税休戦で輸出鈍化、内需刺激策「以旧換新」も効果なしの八方塞がり

梶原圭介 アクセス  

引用:Depositphotos

今回の米中貿易交渉は両国経済のみならず、世界経済にとっても重大な転換点となる見通しが示されている。中国は輸出と内需を同時に活性化させるという二重の課題に直面しており、最悪の場合、アジア全体の経済に衝撃を与える可能性が懸念されている。

中国税関当局の発表によると、先月(5月)の輸出額は3,161億ドル(約45兆7,079億円)で、前年同期比4.8%増加したという。しかし、これは市場が期待していた5〜6%の増加率には届かない。米中貿易摩擦が激化していた4月には逆に8.1%増と予想を上回ったが、関税休戦局面だった5月には輸出の伸びが大幅に鈍化した。

特に対米輸出は前年同期比9.7%減少し、輸出全体の流れに影響を与えた。中国経済における輸出の重要性を考えると、8月までに米国の高関税問題が解決しなければ、中国経済全体に大きな負担となる可能性が高い。

一方、中国の内需指標も低迷している。5月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比0.1%下落し、2月から4か月連続で下落が続いている。生産者物価指数(PPI)も-3.3%と、前月の-2.7%から下落幅が拡大した。デフレ懸念が高まる中、中国政府は老朽化した消費財を新製品に置き換える「以旧換新」政策を推進しているが、明確な効果は現れていない。

さらに、電気自動車市場での過度な値引き競争も問題となっている。比亜迪(BYD)をはじめとする主要メーカーの値下げにより物価下落の圧力が高まる一方、中小メーカーの収益悪化や倒産リスクも上昇している。これを受け、中国当局は口頭での介入を行い、市場の安定化に努めている。

中国発の低価格攻勢がアジア経済全体に打撃を与えるとの分析も出ている。CNBCは2000年代初頭の「チャイナショック」再現の可能性を警告し、内需低迷と過剰生産の組み合わせがアジアの製造業基盤に影響を及ぼす可能性があると指摘した。実際、中国の対米輸出は減少する一方、ASEAN地域への輸出は11.5%増加しており、これらの国々の警戒感が高まっている。

このように中国内の不確実性が増す中、今回の米中貿易交渉で中国が悠長な姿勢を取ることは難しいとの見方が説得力を増している。

梶原圭介
editor@kangnamtimes.com

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