
イスラエルは19日(現地時間)、イランのアラク核施設にミサイル攻撃を実施し、その様子が映像で公開された。イスラエル国防軍(IDF)は「イラン中部の都市アラクにある重水型原子炉を攻撃した」と述べ、「プルトニウム生産の核心的要素」だと主張した。IDFがオンラインで公開した白黒映像には、ミサイルが原子炉とみられる標的に命中し、大規模な爆発が起きる様子が鮮明に映っている。

AP通信も「イスラエルがテヘランの南西250kmに位置するアラクの重水炉を攻撃したが、核物質がないため放射能の危険はない」と報じ、「テヘランから300km離れたナタンズの核施設も空爆した」と伝えた。イスラエルがイラン各地の核施設を攻撃する理由は、プルトニウムによる核兵器製造の可能性を事前に阻止する意図があるとみられる。

実際、今回イスラエルが空爆したアラク原子力施設は、核兵器の原料となるプルトニウムを生産するための施設ではないかと疑われてきた。特に重水炉は軽水炉と異なり、核燃料として天然ウランをそのまま使用できる。つまり、ウラン濃縮過程が不要だ。天然ウランを燃料として使用するため、核反応後のプルトニウム生成量が軽水炉より多くなり、そのため重水炉の建設は核兵器開発計画と関連しているのではないかとの疑念が持たれている。しかし、イラン政府は原子炉が民生用途のみで使用され、核兵器とは無関係だと否定し続けている。

イスラエルがイランの核施設への攻撃を続ける中、イランも即座に報復に出た。この日、イランは約30発の弾道ミサイルをイスラエルに向けて発射し、その一部が首都テルアビブを含む主要都市に着弾した。特にベエルシェバのソロカ医療センターとホロンのウルフソン医療センターにミサイルが直撃し、数十人が負傷した。イランがイスラエルの病院を攻撃したのは今回が初めてである。