
グーグルは24日(現地時間)、自社の地球視覚化プラットフォーム「グーグルアース」に過去のストリートビュー画像を閲覧できる新機能を追加すると発表した。
これまでは過去のストリートビュー画像は「グーグルマップ」のみで提供されてきたが、今回のアップデートによって、グーグルアースでも自由に過去の風景を探索し、あたかも時間旅行をするかのように街並みの変化を楽しめるようになる。
今回のアップデートはグーグルアースのサービス開始20周年を記念したもので、グーグルは「衛星写真に加え、道路レベルで過去のシーンを自由にさかのぼって探索できるようになった。これにより、世界中のユーザーが新たな視点から過去を楽しめるだろう」と自信を見せた。
この機能拡充の背景には、昨年SNSを中心に世界的に話題を集めた「バーチャルタイムトラベル」の流行があるとされる。当時、多くのユーザーがグーグルマップを使って、今はもう存在しない建物や風景、さらには亡くなった家族や友人の過去の姿を探し出し、思い出を懐かしむ体験を共有し、大きな感動を呼んだ。
グーグルは今回の機能追加について「グーグルマップで話題となったバーチャルタイムトラベル体験を、さらに没入感の高いグーグルアースでも楽しめるようになる」と説明している。
さらに今回のアップデートでは、アメリカ国内の専門ユーザー向けにAIを活用した環境分析機能も新たに導入した。具体的な活用例として、テキサス州オースティンではAIが都市全体の樹木の陰の分布状況を視覚化し、日陰が不足している地域を特定して、より効率的な暑さ対策を支援する。
また、地表面温度のデータを利用して都市のヒートアイランド現象が特に深刻なエリアを分析し、今後の都市計画や環境対策に役立てることも可能になった。
グーグルアースは2005年に初めて公開された地球視覚化ソフトウェアで、リリース後わずか1週間で1億件以上のダウンロードを記録。当時、地球のあらゆる場所を手軽に探索できる画期的なサービスとして世界的に大きな反響を呼んだ。
この1年間だけで、世界中のユーザーがグーグルアースを通じて20億件以上もの場所を検索したという。
グーグルは今回のアップデートを通じて、「単なる地図サービスの枠を超え、人々の思い出や環境問題をテクノロジーで繋ぐ新たな方法を提示している」と強調した。
なお、アップデート発表後のグーグル株価は0.96%上昇し、166.77ドル(約2万4,156円)を記録している。
注目の記事