
テスラが米国でロボタクシーの商用化に乗り出した中、速度超過や中央線侵入といった大小の走行ミスが相次いでいる。
25日(現地時間)ロイターとザ・ヴァージなど主要海外メディアによると、テスラは22日、米テキサス州オースティンの一部地域で完全自動運転(FSD)機能を搭載したモデルY 10~20台を投入し、ロボタクシーの試験運用を開始したという。
しかし、サービス開始から数日の間にロボタクシー利用者がSNSに投稿したレビューでは、走行ミスが続出したことが明らかになった。後退駐車しようとするUPSトラックを認識できず同じ場所に駐車しようとしたり、縁石の上を走行したりするケースが報告された。さらに危険な事例として、中央線をはみ出して走行したり、混雑した交差点の真ん中で乗客を降ろしたりする様子も確認された。
テスラの長年の課題とされる「幻のブレーキ」現象も発生した。テスラの認識システムは他社と比べカメラへの依存度が高く、これまでも障害物がないにもかかわらず影や日光の反射を危険要素と誤認識し、車両を突然停止させる問題を頻繁に引き起こしていた。
カーネギーメロン大学のコンピュータ工学専門家、フィリップ・クープマン氏はロイターに対し、「このように初期段階でミスだらけの走行シーンを捉えた映像が大量に出回るのは異例だ」と指摘した。

テスラの自動車販売台数が減少する中、CEOのイーロン・マスク氏が同社の将来をロボタクシー事業と結びつけてきたため、投資家の間ではロボタクシーの商用化に対する期待が高まっていた。23日には株価が1日で8%以上上昇した背景にはこうした期待感があった。しかし、走行ミスへの失望から、テスラの株価は24~25日に連続して2~3%下落し、ロボタクシーサービス開始前の水準に戻った。
テスラはロボタクシーサービスの改善策について利用者からのフィードバックを収集していると明らかにした。オースティン市の報道官は「関連する問題を認識している」とした上で、「法的または安全上の問題が発生した場合、テスラと即座に情報を共有する」と述べた。マスク氏は今年中に他の都市にもロボタクシーサービスを拡大し、来年下半期までに数百万台のロボタクシーが米国全土を走行する計画だという。
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