
アメリカ・バージニア州で、衰弱した状態のビーバーの赤ちゃんが保護され、その後元気を取り戻したという心温まるニュースが注目を集めている。倒れていた場所は人けのない野原のど真ん中。発見がもう少し遅れていたら、命はなかったかもしれない。
野生動物の多くは人を警戒して逃げるものだが、この子ビーバーは動くこともできないほど弱り切っていたという。異常を察知した動物保護施設の職員はすぐに保護を決断。体力はほとんど残っておらず、抱きかかえるのも簡単なほどだった。

検査の結果、肺炎を患い、内臓にも損傷が見られた。呼吸も苦しそうで、このまま放置されていたら確実に命を落としていただろう。しかし適切な治療を受けたことで、たった1週間で見違えるように回復。あと少しの治療を経て、野生に戻す予定だという。
保護施設の公式SNSには、移動用ケージから顔を覗かせて「にっこり」しているビーバーの写真が投稿され、多くの人の心を打った。まるで「ありがとう」と感謝を伝えているようなその表情は、多くの共感を呼んでいる。

ビーバーは「キーストーン種」として生態系に大きな影響を与える存在とされる。自らダムを築き湿地を作り出すことで、生物多様性の向上や水質改善にも貢献している。この小さな命も、いつか自然に戻り、またその役割を果たしてくれるに違いない。
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