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2025年07月05日土曜日
ホームニュース「猛暑と共存する術を学べ」…欧州で“極端な暑さ”による死者続出、もはや異常ではなく日常か

「猛暑と共存する術を学べ」…欧州で“極端な暑さ”による死者続出、もはや異常ではなく日常か

欧州全域が記録的な高温に見舞われ、初夏とは思えない異常な猛暑が続いている。

フランスでは数年ぶりに猛暑警報が発令され、パリではエッフェル塔が閉鎖されるなど、市民生活への影響が深刻化している。

引用:depositphotos*この画像は記事の内容と一切関係ありません
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『AFP通信』によると、フランス当局は猛暑赤色警報を5年ぶりに発出し、3日まで延長された。パリでは気温が38度まで上昇すると予想され、全国でおよそ2,000校に休校措置が取られた。観光名所の象徴であるエッフェル塔の上層部も2日連続で閉鎖される異例の対応となった。

また、政府は公務員に対し、スポーツイベントや学校行事、野外活動の制限や中止を命じる権限を付与した。

パリに住む85歳の高齢女性は「モグラのように地下に閉じこもって生きている」と嘆き、過酷な暑さの中での生活の厳しさを語った。

当局は公園の開放時間を延ばし、教会や博物館を冷却センターとして開放。高齢者、基礎疾患を抱える市民、ホームレスなどの健康状態を優先的にチェックする対策が取られている。

オランダ北部では同日、最高気温が38度に達する見通しで、ロッテルダムを含む一部地域の学校は授業開始時間を早める対応に踏み切った。ベルギーやスイス、ドイツなど他の国々でも猛暑警報が出され、早急な対応が進められている。

欧州連合のコペルニクス気候変動サービス(C3S)は、「欧州全域で数百万人が熱ストレスにさらされており、今後数日間は平年を大きく上回る気温が続くだろう」と警鐘を鳴らした。

スペインとポルトガルの一部では先週末、気温が46度を記録。今後は一時的に気温が下がる見通しだが、40度を超える地域も残るとされている。ドイツでも3日に40度近くまで上がる可能性がある。

C3Sの副局長である気候科学者サマンサ・バージェス氏は「今回の猛暑は極端なうえ、初夏に発生した点で特に異常だ。気候変動の影響が明確に現れている」と指摘した。

オランダでは史上最も暑い7月1日を記録し、フランスやポルトガルは6月の最高気温を更新。スペインやイギリスも記録的な暑さとなった。

国連傘下の世界気象機関(WMO)は、今回の異常気象について「新しい気候の現実」だと警告し、「人類は猛暑と共存する術を学ぶ必要がある」との見解を示した。

WMOの報道官クレア・ヌリス氏は「人為的な気候変動によって極端な高温がより頻繁に、より激しく発生している」と語った。

国際赤十字赤新月社連盟(IFRC)のトマソ・デラ・ロンガ氏も「欧州都市が猛暑への適応を進めているが、対応はまだ十分とは言えない」とし、「インフラや医療体制に対する負荷が大きく、依然として過剰死亡が発生している」と懸念を示した。

2022年には猛暑によって欧州全体で約6万人が死亡しており、今回の暑さでもスペインで2歳児が車内に取り残され死亡する悲劇が報告されている。

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