
中国国営防衛産業企業の中国航空工業集団(AVIC)の傘下にある成都航空機工業集団(CAIG)が、ロケットのように尾部で離着陸する新型ドローンを発表した。
7月18日、中国科技日報やサウス・チャイナ・モーニング・ポスト(SCMP)によると、CAIGが開発した「テールシッター」(tail-sitter)型ドローンが、最近四川省の山岳地帯で行われた災害救助訓練で披露された。
この無人機はセンサーやカメラなどを搭載し、山岳地帯を飛行しながら偵察やリアルタイムの状況認識テストを実施した。
さらに、今回の訓練では知能型制御システムを用いて、群飛行に不可欠な自律的な目的地設定、自動経路計画、自動危険回避などの機能をデモンストレーションした。
名称が公表されていないこの無人機は、ロケットのように垂直に離陸した後、飛行機のように水平飛行し、着陸時には再び垂直姿勢に戻り尾部で着陸する。
公開された仕様によると、翼幅は2.6メートル、機体長は1.8メートルだ。
SCMPは、この無人機がクアッドコプター(4つのローターと呼ばれるプロペラを持つドローン)よりもはるかに速く、固定翼ドローンと同程度の速度を誇る。
また、垂直離着陸が可能なため滑走路や発射台が不要で、僻地や険しい地形でも運用できると付け加えた。
CAIGは、新型テールシッター型ドローンはメンテナンスが容易で運用コストが低く、災害救助活動にも活用できると述べた。
SCMPは、このドローンは米国のドローン企業であるシールドAIが開発した「V-BAT」と類似した形状だと伝えた。
「MQ-35」と呼ばれるこのドローンは、現在米国の海軍などが偵察に使用しており、ロシアと戦争中のウクライナにも提供されている。
注目の記事