ゼレンスキー「東部ドンバスからの撤退は不可能」…プーチンの「全面譲歩」要求を拒否
ドネツクの30%を制御中…撤退すればロシアの更なる侵攻を許すことに
領土問題はウクライナの安全保障と併せて議論すべき

ウクライナのボロディミル・ゼレンスキー大統領は12日(現地時間)、ロシアが東部ドンバス地域からのウクライナ軍撤退を要求する場合、これを拒否すると明言した。彼は、この提案がウクライナの防衛線を弱体化させ、ロシアの更なる攻勢への道を開く可能性があると警告した。
ゼレンスキー大統領はこの日、記者団に対し、領土問題はロシアが停戦に和解した後に議論されるべきであり、ウクライナの安全保障が必ず保証されるべきだと強調した。
15日に米アラスカで予定されているドナルド・トランプ米大統領とロシアのウラジーミル・プーチン大統領との首脳会談を前に、ゼレンスキー大統領はウクライナが自国の領土に関するいかなる交渉にも必ず参加すべきだという立場を改めて表明した。トランプ大統領は以前、平和協定に領土交換が含まれる可能性を示唆していた。
ゼレンスキー大統領は、ロシア側が他のウクライナ地域での進攻を停止する条件として、ウクライナもドンバス地域からの部隊撤退を要求すると述べた。ドンバスにはドネツクとルハンスク地域が含まれる。ウクライナ軍が制御している一部のドンバス地域まで全て譲歩すれば、残りの地域の占領地は現在の戦線状態で凍結できるというのがプーチン大統領の提案だとされている。
彼は現在、ウクライナがドネツク地域の約30%、つまり約9,000㎞²を制御しており、その地域に強力な防衛線を構築し、戦略的要衝を確保していると説明した。
ゼレンスキー大統領は、部隊の撤退がロシアの新たな攻勢の足がかりとなる可能性があると警告した。彼は「プーチン大統領はザポリージャやドニプロ地域、さらにはハルキウまで進攻する機会を得ることになる」と述べ、「領土問題は安全保障の保証と切り離して考えてはならない」と強調した。
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