
アントニオ・グテーレス国連事務総長は21日(現地時間)、国連が定めた「国際平和デー(International Day of Peace)」のメッセージを発表し、「武器を沈黙させ、苦痛を終わらせよう。橋を再建し、安定と繁栄を創出しよう」と呼びかけた。
世界平和デー(World Peace Day)としても知られるこの日は、1981年に国連総会で制定。2001年には、国連総会の全会一致により「非暴力と停戦の日」として正式に指定された。
今年のテーマは「世界平和のために今すぐ行動に出よう」とされている。
グテーレス事務総長は、国際平和デーのメッセージで「世界は戦争の渦中にあり、平和を求めて叫んでいる」と述べ、「平和はもはや待てない」と強調した。さらに「今年の世界平和デーは、私たち全員に平和のための声を上げるよう呼びかけている」と付け加えた。
また、「世界中で命が奪われ、子どもたちの幼年期が失われ、人類の基本的な尊厳さえも踏みにじられ、戦争の残虐さと退廃だけが蔓延している」と指摘。「至る所で戦闘が勃発し、国際法は無視され、過去最多の人々が家を追われ、避難を余儀なくされている」と述べた。
さらに、「人々が求めているのは平和だけだ。平和は今や全人類の目標となった」と強調し、世界の戦争被害の現状に警鐘を鳴らした。
国連の目標である持続可能な開発は平和を支えるものであるにもかかわらず、世界で最も厳しい開発過程にある国々の約9割が戦争の苦しみを経験していると指摘した。
グテーレス事務総長は、国際社会に対しては「人種差別や非人間化、フェイクニュースなど、戦争の火種となる要因を共に取り除く必要がある」と助言。そのうえで「相手に心を開き、尊重の言葉で対話することで、平和と希望をもたらし、離ればなれになった家族の再会や子どもたちの遊び、教育の再開が可能になる」と述べた。
コメント0