
英国では、ウェットティッシュをトイレに投棄すると罰金や懲役刑に処される可能性がある。現地の上下水道業者が特殊機器を用いて該当家庭を追跡する方針を決定したためだ。
23日(現地時間)、英デイリー・メール紙は、水に溶けないウェットティッシュをトイレに流す事例が増加しているとして、英国の水資源当局が本格的な取り締まりに着手したと報じた。問題解決にかかる莫大な費用も使用者に請求する計画だという。
英国北東部の上下水道業者ノーサンブリアン・ウォーターは、クレーン状の機械アームを備えた特殊機器を開発し、下水管に溜まったウェットティッシュを検出・回収する作業を開始した。同機器でウェットティッシュを流した家庭が特定されると、数千ポンド(数十万円)の罰金が科され、最大2年の懲役刑に処される場合もある。
当局は地域ごとの下水管詰まりのデータを分析し、深刻な地域を選別した上で疑わしい家庭を絞り込む方針だ。その後、該当家庭付近のマンホールに機器を設置し、流入経路を追跡して回収する。
ウェットティッシュの多くはプラスチック成分を含み、トイレットペーパーのように自然分解されないため、下水管を詰まらせ、排水の逆流を引き起こす恐れがある。さらに、下水処理場のポンプに付着し、漏水や環境汚染の原因にもなる。
ノーサンブリアン・ウォーターは、集中取り締まりにより約3万キロに及ぶ下水網での詰まりを半減させ、内部浸水事故も約65%減少したと発表した。
今回の取り締まりは、イングランド北東部のレッドカー・アンド・クリーブランド州スケルトン、ストックトン・オン・ティーズ、サンダーランド、ノーサンバーランド州ベドリントンの一部地域に集中している。ニューカッスル近郊ノース・タインサイドの一部住民には、すでに警告状が送付された。
ノーサンブリアン・ウォーターは、広告で「水に溶ける」とされているウェットティッシュであってもトイレに捨ててはならないとし、トイレットペーパー以外の物を流さないよう改めて警告した。取り締まり技術と機器は、他の英国水道会社とも共有される予定だ。
現場で機器を操作する下水維持管理員のロブ・ミラー氏は「大きな排水管で1日に最大150枚のウェットティッシュを回収したこともある」と述べた。
また「機器が満杯となり全てを回収できない場合もあり、地域の深刻度を示す指標になる」と語り、「ある家庭では1日に30枚を流している例もあるが、本人がその事実に気づかないことも多い」と説明した。
別の家庭ではウェットティッシュ2バケツ分が回収され、夫婦が互いに責任を押し付け合った結果、浴室の掃除に使用した妻のウェットティッシュが原因と判明したという。
一方、今月初めにはロンドンのハマースミス橋近くで、「ウェットティッシュの島」と呼ばれる塊の除去作業が約3週間で完了した。実際の島ではなく、河川と下水道に溜まった数百万枚のウェットティッシュが固まってできた巨大な塊で、テニスコート2面分の大きさに達し、深さは1メートルを超えていた。
下水道業者テムズ・ウォーターは「恐ろしい光景だった。蓄積したウェットティッシュは下水処理システムへの深刻な脅威となる」と警告した。同社は毎年約38億枚のウェットティッシュを水道管や下水道から回収していると明らかにした。
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