
米ホワイトハウスは、今月30日までに議会が政府予算案で合意しなければ、連邦政府職員の大規模解雇を検討するよう指示していたことが判明した。
米政治専門メディア『ポリティコ』や『CNBC』は25日(現地時間)、行政管理予算局(OMB)が内部メモを出し、「政府がシャットダウンした場合、大統領の政策優先事項と一致しない省庁は職員への解雇通知(RIF=reduction-in-force notices)の発出を検討するよう求めた」と報じた。数千人規模の連邦職員の雇用が危機にさらされる可能性を示し、議会に圧力をかける狙いがあるとみられる。
過去の政府閉鎖では、大半の連邦職員が予算合意に至るまで一時的に無給休職を余儀なくされていた。責任ある連邦予算委員会(CRFB)によると、最後に全面的な政府閉鎖が起きた2013年には、約85万人の職員が無給休職となったという。
OMBは今回のメモで「義務的支出の拡大恩恵を受けないプログラムが、閉鎖による打撃を最も大きく受ける」と指摘した。
ホワイトハウスは「われわれは依然として民主党が政府閉鎖を引き起こさないことを期待しており、今回の指示が実際に実行される事態を望んでいない」と付け加えた。
しかし、政府資金の執行期限が30日夜に迫るなか、議会はいまだ合意に達していない。資金が途絶えれば政府閉鎖は避けられない。現実的な対応策は、上下両院が暫定予算案を可決して当面の資金不足を回避し、政府運営を延長することだ。そのうえで本予算に関する合意を改めて模索する必要がある。
民主党指導部は、OMBのメモを強く非難した。チャック・シューマー上院民主党院内総務(ニューヨーク州選出)は「恫喝の試みだ」と断じ、「トランプ大統領は就任初日から連邦職員を解雇してきた。これは統治ではなく脅しにすぎない。今回の件は政府資金とは無関係だ」と批判した。
また、ハキーム・ジェフリーズ下院民主党院内総務(ニューヨーク州選出)も、「大統領とMAGA極右主義者たちが10月1日から連邦職員の大量解雇を計画している」と非難。さらにSNS「X(旧Twitter)」でOMBのラッセル・ヴォート局長を名指しし、「ラッセル、あなたは悪質な政治ブローカーにすぎない。あなたの脅しに屈しない」と痛烈に書き込んだ。別の投稿では「彼らの狙いは人々の生活を破壊し、すでにトランプ関税とインフレで苦しむ勤労家庭をさらに罰することだ」と強調した。
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