
米国土安全保障省(DHS)が人気アニメ「ポケモン」を使った不法移民取り締まり動画を公開し、批判が殺到している。
8月23日、DHSは公式SNS「X」に「全部捕まえなきゃ」(Gotta Catch ‘Em All)というフレーズとともに約1分間の映像を投稿した。動画は住宅や店舗、街頭などで移民当局が不法移民を逮捕する場面に、ポケモンの映像を差し込み交互に編集した構成になっている。BGMもポケモンのテーマ曲がそのまま流れている。
ラストシーンでは逮捕された移民が「ポケモンカード」のように表示される仕掛けだ。キャラクターが登場する枠に、逮捕・追放された人物の顔写真が差し込まれ、その下に殺人や殺人未遂、小児性愛、児童性的虐待といった容疑が並んでいる。
さらに米国税関・国境警備局(CBP)は、ピカチュウの画像と一緒に「国境警備隊の新入隊員だ」とコメントを投稿。これが火に油を注ぎ、批判は一気に拡大した。
公開からわずか3日で再生回数は720万回を突破。コメントは1万7000件を超え、ネット上では大論争になっている。多くのユーザーは「子供向けアニメを使って暴力的な取り締まりを笑いものにしている」と非難し、「ピカチュウを逮捕映像に使うなんて正気か」「最悪の茶番劇だ」など厳しい声が相次いだ。
一方で、この映像はポケモン制作会社に正式な許可を得ていなかったことも判明。制作会社は『ロサンゼルス・タイムズ』に対し、「我々はこの動画の制作や配布に一切関与しておらず、知的財産権の使用を認めたこともない」と声明を出している。

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