日立製作所が米エヌビディア(NVIDIA)との戦略的協業を通じ、AI基盤インフラソリューション市場で独自の競争力確保に乗り出していると、日本経済新聞が10日に報じた。

日立は2024年からエヌビディアとAI開発やサーバー分野で広範な協力関係を構築してきた。両社協業の代表的成果が、鉄道保守向けAIソリューション「HMAX」である。
このシステムは、車両や信号機器からリアルタイムで収集したデータをAIで分析し、保守コスト削減と列車遅延の最小化を実現している。
日立はHMAXの適用範囲を鉄道から送配電設備や産業機器などグループ全体の事業領域へ拡大する計画を明らかにした。
この構想を推進するため、同社は9月にエヌビディアの最新GPU「HGX B200」などを搭載したサーバーを日本、アメリカ、欧州に大規模導入し、HMAXの開発と実装を加速すると発表した。
業界専門家は「日立の戦略は既存の米テック大手とは異なるアプローチだ」と評価している。
GoogleやMetaなどの米IT企業がネット広告やSNSといったデジタル空間のデータをAI競争力の源泉としてきた一方で、自動運転を除けば物理空間のデータの活用は相対的に遅れているのが現状だ。
日立には鉄道やエレベーターなど現実世界のビジネスで蓄積した膨大な物理データを有しており、これを「核心資産」として位置づけていると語った。
日経は、こうしたデータを効果的に活用し、競争力のある独自AIソリューションを構築することが、グローバルAI市場での差別化戦略の要になると示した。
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