
チャールズ3世英国国王の弟、アンドルー王子(65)がヨーク公爵を含む王室爵位と称号を放棄した。
BBC報道によると、「王子」という称号は維持され、現在住んでいる邸宅にそのまま居住するなど、実生活に大きな変化はないと伝えた。
アンドルー王子は17日、「国王および家族との協議の結果、私に関する継続的な疑惑が王室の職務に支障をきたすと判断した」と述べ、自身の爵位と称号を放棄した理由を説明した。
エリザベス2世女王は2022年1月13日、未成年者性的虐待疑惑で米国で訴訟に直面していた次男アンドルー王子の軍職と王室後援者の資格などを剥奪した。アンドルー王子に対する敬称「殿下(HRH)」の使用も禁じられた。
これは、その前日である1月12日、ニューヨーク・マンハッタン連邦地裁が民事訴訟の棄却を求めるアンドルー王子の申し立てを却下し、米国の法廷で民事裁判を受けることになったことを受けての措置だった。
アンドルー王子は2001年、米国の大富豪ジェフリー・エプスタイン氏と共に、当時17歳だった米国人女性バージニア・ジュフリーさんを性的に虐待したとされる容疑を受けている。
ジュフリーさんは今年4月に自ら命を絶ち、アンドルー王子との性的関係などを記した彼女の回顧録が死後に出版される予定である。
アンドルー王子は、ジュフリーさんの回顧録の出版など自身のスキャンダルに関する論争が激化することを受け、すべての爵位を手放すことを決意したとみられる。
アンドルー王子は昨年、ジュフリーさんが起こした民事訴訟で和解したものの、責任は認めていない。今回の声明でも「私に対して提起された疑惑を強く否定する」と述べている。
アンドルー王子は2010年12月、未成年者性犯罪で服役中だったジェフリー・エプスタイン氏(2019年8月に獄中自殺)とのすべての接触を断ったと主張したが、数カ月後にメールでやり取りを続けていたことが明らかになるなど、波紋が広がった。
昨年には、英国でスパイ活動をしていた疑いのある中国人実業家との親密な関係も問題視された。
結局アンドルー王子は、ヨーク公爵、インヴァネス伯爵、ガーター騎士団王室騎士などの称号をすべて手放すことになった。
ただし、「王子」という称号は女王の息子として生まれた時から与えられたものであるため維持され、王位継承順位(8位)も変わらないとBBCは伝えている。
同放送はまた、「来年4月のイースター礼拝など家族行事には姿を見せる可能性があるものの、当面は公の場に姿を現すことはないだろう」と報じた。
爵位と名誉を失ったにもかかわらず、彼の実生活にはほとんど変化がなく、自身の過ちに対する反省の様子も見られないという。
英国王室は、アンドルー王子の爵位放棄により彼のスキャンダルが収束することを望んでいるが、今後も報道と論争は続くとBBCは予測している。
アンドルー王子は名誉を大きく損なったものの、依然として「王子」の身分であり、ウィンザー邸に居住中だ。邸宅の賃貸契約は2078年まで有効で、退去するかどうかは本人の判断に委ねられているという。
また、公主である娘たちとの家庭生活も変わらず送ることができる。
BBCは「彼の爵位放棄の発言には良心の呵責が全く感じられず、むしろ義務感と名誉を強調する姿勢が見られた」と指摘した。
同局はさらに、「王族としての活動を控え、静かに反省し慈善活動に専念するという伝統的な方法で徐々に大衆の尊敬を取り戻すことが期待されていたが、彼はむしろまったく後悔の色を見せなかった」と批判した。
また、ジュフリーさんの死後回顧録が出版された後も、アンドルー王子とジュフリーさん、そしてエプスタイン氏に関連する疑惑は続くだろうと予測した。さらに、エプスタイン氏に関する追加文書の公開を求める世論と政治的圧力に直面する可能性があるとしている。
メディアはアンドルー王子の中国ビジネス取引など他の話題も引き続き取り上げており、彼はニュースの見出しに登場し続けるだろうという見方も出ている。
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