
米国のドナルド・トランプ大統領が昨年の大統領選で勝利したのは経済問題解決の公約のおかげだったが、就任1年間の経済実績が芳しくなかったことが4日(現地時間)の地方選挙で共和党が敗北した最大の理由だとニューヨーク・タイムズ(NYT)が報じた。
トランプ自身が直接遊説をしなかったものの、依然として選挙運動の中心人物だった。ニュージャージー州とバージニア州の選挙で民主党が勝利したのは、高騰する生活費問題の解決を約束した公約が功を奏したためだ。民主党候補らはあらゆる問題の原因をトランプ大統領に帰した。
ニューヨーク市でも生活費削減のための斬新な公約を掲げたゾーラン・マムダニ氏が当選した。今回の選挙結果は、トランプ大統領と共和党が経済運営で享受してきた優位性が消失したことを示す世論調査結果が相次ぐ中で出たものだ。トランプ大統領が経済に適切に注力しなかった点が民主党候補らの攻撃材料になった。
宴会場建設のためにホワイトハウス東棟を取り壊し、リンカーンのバスルームを贅沢に改装し、ローズガーデンをマー・ア・ラゴの屋外庭園風に変えた。特に政府機関の一時閉鎖中や食料支援削減の前夜に「ちょっとしたパーティーは誰も殺さない」と強調し、「グレート・ギャツビー」風のハロウィンパーティーを開いた。
最近のNBCニュースの世論調査によると、トランプ大統領がインフレと生活費問題に対処するという期待に応えたと信じる有権者はわずか30%だったという。先月末のCNN世論調査では、トランプ大統領の政策が国の経済状況を改善したと答えた人はわずか27%だった。悪化させたと答えた人は2倍以上だった。
バージニア州知事当選者のアビゲイル・スパンバーガー氏は、米連邦政府縮小を目指すトランプ大統領の試みがバージニアの経済に悪影響を及ぼしたと強調して当選した。ニュージャージー州知事当選者のミキ・シェリル氏も同様だった。二人とも二桁差で勝利した。
マムダニ氏は具体的な経済公約を中心に選挙運動を展開し、無名候補から一躍全国的スターに躍り出た。マムダニ氏は経済重視の自身の政策をトランプ大統領と対比させた。彼はトランプ大統領が昨年、敵対勢力への制裁、大規模な移民追放、生活費削減という3つの公約を掲げて勝利したが、3つ目の公約は履行しなかったと強調した。
4日に働いた政治力学は単純で馴染みのあるものだった。有権者は経済に不満を抱き、今やその責任を民主党ではなく共和党に転嫁し始めた。ある意味で、トランプ大統領は1年前の民主党と同じ立場に立たされている。トランプ大統領は2日のCBSインタビューで「インフレはない」と主張したが、実際にはインフレが存在する。彼が「買い物の費用が下がった」と言ったが、食料品価格は上昇している。トランプ大統領は「この国は完璧な状態だ」と強調したが、世論調査は有権者の実感が異なることを示している。
これは有権者が突然民主党を信頼し始めたということではない。最近のCNN調査で民主党支持率は29%だった。ただし、共和党はもはや低い民主党支持率の恩恵を受けられなくなったことを意味する。2023年9月のNBC世論調査で、有権者は経済面で共和党が民主党より圧倒的に優れていると答えたが、現在は両党の経済運営能力評価が同率になっている。
民主党は年初の就任時、テスラのイーロン・マスクCEO、アマゾンのジェフ・ベイゾスCEO、メタのマーク・ザッカーバーグCEO、グーグルのスンダー・ピチャイCEOなど世界的な富豪たちに囲まれて就任したトランプ大統領に対する労働者層の支持を削ぐ努力をしてきた。今年の夏にはトランプ大統領の野心的な予算法案「大きくて美しい1つの法案」が可決された後、法案が有権者の支持を得られないという世論調査結果が出ると、トランプ大統領は法案名を「労働者世帯向け減税(Working Families Tax Cut)」に変更せざるを得なくなった。


















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