現地訓練を経て対ドローン作戦チームを編成 対応キットも認証

米軍が本土内の軍事基地に対する小型ドローンの脅威に効果的に対処するため、現地訓練を通じて「対小型ドローン機動型対応キット(Counter-small UAS fly-away kit)」を検証・認証したと、米軍事専門媒体『アーミー・タイムズ(Army Times)』が12日(現地時間)報じた。
これにより、米軍基地に対する小型ドローンの脅威への対応が進展するか注目されている。
同紙によると、米本土防衛任務を担う陸軍北方軍は、ドローン攻撃への対処訓練を成功裏に終えたとして、基地に対するドローン脅威へ迅速に対応する作戦チームを新たに編成したと明らかにした。
北方軍のグレゴリー・ギヨー司令官は声明で、「対小型ドローン機動型対応キットの検証・認証は、ドローン脅威から米軍施設を防護する上で重要な一歩だ」と強調。緊急時には現場に迅速に展開し、ドローン襲撃などの脅威を探知・無力化できるチームと装備を整えたと説明した。
北方軍は11人の兵士でチームを編成し、同キットを用いてドローン攻撃から軍事施設を防衛する訓練を実施した。
訓練では、基地に侵入する100機以上の小型ドローンを探知し、追跡・妨害・無力化する能力を示したとされる。

防衛系スタートアップ「アンドゥリル(Anduril)」が製造したこのキットは迅速な移動・展開が可能で、探知から迎撃まで一連の対応を統合して行えることが立証された。
北方軍は「このシステムを初めて接したのは30日前だが、11人の作戦チームは期待を大きく上回る成果を見せた」と評価。「慣れない任務に適応し、防空戦術を身につける彼らの能力は非常に印象的だった」と述べた。
米軍のこうした動きは、今年に入りウクライナ軍によるロシア本土攻撃や、イスラエルのイラン空爆において、安価で発見されにくい小型ドローンが大きな戦果を上げたことで、海外のみならず米本土基地に対するドローン脅威が改めて浮き彫りになったためである。
6月には、ウクライナ軍の小型ドローンが数千km離れたロシア本土の空軍基地4カ所を攻撃し、戦略爆撃機を含む40機以上のロシア軍用機に甚大な被害を与えた。また同月のイスラエルによるイラン空爆では、密かに持ち込まれたイスラエル製小型ドローンがイランの核施設をはじめ軍事施設を効果的に攻撃し、その威力を示した。
特に当時使用された小型ドローンは1機あたりわずか2,000ドル(約30万円)程度だった一方、ロシア側の損害は約70億ドル(約1兆円)に達したとも報じられた。
現在、米国はミサイルや戦略爆撃機などの攻撃から本土を防衛するため、数十億ドル(約数兆円)規模のミサイル防衛システム「ゴールデン・ドーム構想」を推進しているものの、小型ドローン攻撃には脆弱との指摘が出ていた。
こうした状況を受け、ピート・ヘグセス米国防長官は、小型自爆ドローンの脅威を強調し、ドローン戦および対ドローン防衛を担当する新組織を陸軍主導で創設するよう指示したとされる。














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