「エプスタインメール」の半数にトランプ米大統領の名前

米政界を再び揺るがしている「エプスタインメール」を分析したところ、全体の半数近くにドナルド・トランプ大統領の名前が登場することが分かったと、ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が16日(現地時間)に報じた。
WSJは、米下院監視・説明責任委員会が公開した資料のうち、未成年者性搾取で有罪となった金融業者ジェフリー・エプスタイン氏が周囲の人物と交わした2300通以上のメールを精査した。
その結果、メールの半数以上でトランプ大統領の名が言及されていた。特に、トランプ大統領が大統領選に初当選した2016年前後からその頻度が急増したという。
メールには、エプスタイン氏が友人とともにトランプ大統領を批判する内容や、記者に関連情報を提供したやり取り、知人からの質問に答える内容などが含まれていた。WSJは「当時はトランプ大統領に関する話題を避けることが難しかった」と指摘し、大統領選や政権の政策に関する記事共有の中で頻繁に名前が登場したと説明した。
一方、ビル・クリントン元大統領の名前で検索すると500件以上が確認された。多くは2015年以前のもので、一部には同年の大統領選でトランプ大統領の対立候補となったヒラリー・クリントン元国務長官に関する記述も含まれていた。
バラク・オバマ元大統領の名前も登場した。オバマ政権のホワイトハウス法律顧問を務めたキャスリン・ルームラー氏は、エプスタイン氏が2019年に死亡するまで、彼とトランプ大統領を含む政治的テーマについて定期的にメールを交わしていたことが判明している。
このほか、王族の称号を失ったアンドルー・マウントバッテン=ウィンザー氏、クリントン政権の財務長官を務めたラリー・サマーズ元ハーバード大学総長、ビル・ゲイツ氏の元科学顧問ボリス・ニコリッチ氏など、多くの著名人の名も確認された。
メールに名前が記載されているだけで、直ちにエプスタイン氏の犯罪との関係を示すものではない。しかし、一部には関連を示唆する内容もあった。民主党議員らは12日、エプスタイン氏が共犯者で元交際相手のギレーヌ・マックスウェル氏に送ったメールを公開したが、その中には「被害者の一人がトランプ大統領と自宅で数時間過ごした」と記されていた。
エプスタイン氏はジャーナリストとも幅広く接触しており、メディア関係者や社交界の大物と人脈を築き、報道を利用して自身の再起を図ろうとしていたとされる。
ニューヨーク・タイムズは「エプスタインメールが示す『失われたニューヨーク』」という記事の中で、エプスタイン氏が活動拠点としていたニューヨーク社交界での動きを改めて描き出した。メールには「ウォール街の富豪、メディアの重鎮、政治家、長年の財力を背景にした社交界の人物らから成るグループの黄昏」が表れており、彼らの一部はエプスタイン氏のアッパーイーストサイドにある7階建ての邸宅に集っていたとされる。
エプスタイン氏は当時、不動産業界の大物でニューヨーク・デイリー・ニュースのオーナーだったモティマー・ズッカーマン氏ともメールを交換しており、そのやり取りには、マイケル・ブルームバーグ当時ニューヨーク市長とトランプ大統領の娘婿ジャレッド・クシュナー氏が共同主催したニューヨーク・オブザーバー創刊25周年式典の招待状も含まれていた。
















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