レアアース・ビザなし措置の規制強化に警戒
高市内閣、親中派不足との見方も
台湾総統のすし投稿、中国を意識か

中国が自国クルーズ船の日本上陸まで阻止する事態となり、日中対立の緊張がさらに高まっている。高市早苗首相による台湾有事への関与を示唆する発言以降、中国の圧力は外交・経済・軍事の全分野に拡大しており、日本政府は事態が少なくとも1年以上続く可能性があるとみて、事実上の長期戦に備え始めている。
「時事通信」によると、沖縄の税関当局は、中国が19日、全長292メートルの大型クルーズ船アドラ・地中海号(定員2,680人)の乗客による日本国内での下船を認めなかったと明らかにした。豪華客室1,057室を備えた同船は18日に中国・福建省厦門を出港し、20日未明に宮古島の平良港へ寄港する予定だったが、接岸を断念して帰港した。中国文化・観光部は、24日にマカオで開催予定だった2025年日中韓文化相会合についても、暫定的に延期すると発表している。
中国の軍事的示威行動も激しさを増している。南部戦区の南シナ海艦隊が前日に公開した映像には、武装兵士が、今夜戦闘が始まっても準備はできていると檄を飛ばす様子が映っていた。映像にはこのほか、空母編隊の運用、艦載機の発艦、戦闘機の編隊飛行、軍艦による実弾射撃、海上目標に対するミサイル発射訓練など、実戦を想定した場面が連続して収められており、日本を意識した武力誇示との見方が強まっている。
日本政府は、日中間の緊張が長期化するとの見通しのもと、拙速な報復措置は控える構えを取っている。外務省関係者は毎日新聞に対し、中国が本気で強硬路線に出ている場合はこの程度では済まないはずであり、消耗戦になる可能性を考えれば冷静な対応が重要だと述べた。日本の主要メディアは、中国側が今後、通関検査のさらなる強化、レアアース輸出の制限、査証免除措置の停止といった追加措置を取る可能性があるとみている。
一方で『毎日新聞』は、中国はこれまで、渡航自粛勧告や日本産水産物の輸入停止といった、日本側への打撃は大きいが中国自身の負担は比較的小さい措置を選択してきたと分析した。日本産水産物は最近ごく一部で貿易が再開されつつある段階であり、再度輸入を停止しても中国側の影響は限定的とみられている。日本経済新聞は、高市政権に親中派の政治家が少ないことに加え、中国との関係を重視してきた公明党が連立から離脱したことが、両国関係の硬直化をさらに深めていると指摘している。
こうした中、頼清徳・台湾総統はこの日、フェイスブックで昼食にすしとみそ汁をとったと投稿し、鹿児島産のブリと北海道産ホタテのハッシュタグを添えて写真を公開した。明確な意図には触れていないものの、中国による日本産水産物の輸入停止への間接的なメッセージと受け止められている。頼総統は17日にも、中国による日本へのハイブリッド攻撃がインド太平洋地域の平和と安定を脅かしていると指摘し、中国を批判していた。
















コメント0