ByteDanceデータセンターにNVIDIA使用禁止令
新規発注だけでなく、保有済みチップの使用も禁止
米国、90年代の「Windows」再現へ…「米国AIに依存させる」戦略

中国が、ByteDanceに対しNVIDIA製チップの使用を控えるよう求めたと、米IT専門メディア「The Information」が26日(現地時間)、関係者の話として報じた。米国のAIエコシステムに世界を依存させる戦略に対し、中国が防御に転じた形とみられる。米国が希土類を巡って各国と「鉱物同盟」を構築する一方、中国は国産技術の拡大によって「AI依存」戦略に対抗しており、両国が目に見えない領域で激しい主導権争いを続けている状況である。
「The Information」によると、中国の規制当局は、動画投稿アプリTikTokの運営会社であるByteDanceに対し、新設データセンターでのNVIDIA製チップ使用を禁止した。新規発注だけでなく、すでに保有しているチップについても使用を禁じたという。中国政府はこれまでにも企業に対してNVIDIA製AIチップの新規発注を控えるよう指導してきたが、今回の措置はさらに踏み込んだ内容となった。ただし、AIモデルの訓練用途に限っては使用を容認していると伝えられている。
今回の動きには、米国のAI戦略への警戒が背景にある。ホワイトハウスのAI関連部署は、同盟国を含む世界各国が米国のAI技術に依存する構造を築く方針を掲げている。スリラム・クリシュナン大統領AI上級政策顧問は、政治専門メディア「Politico」の記者ダシャ・バーンズ氏が司会を務めるポッドキャスト番組「The Conversation」で、「1990年代に世界がWindowsとインテルの技術に依存するようになったように、もし中国の技術に依存する世界が生まれれば非常に危険だ」と指摘し、「同盟国と国際社会が米国のAIを使う世界を作ることが目標だ」と述べた。
こうした方針について、ハワード・ラトニック米商務長官も今年7月のCNBCのインタビューで、トランプ大統領の考えとして「中国が自力開発できる水準を上回る半導体を米国が開発し、それより下の性能のものは中国に販売し続けるべきだ」と説明し、「中国の開発者が米国技術に依存する状態にする必要がある」と語っている。「ブルームバーグ通信」は最近、米政府がNVIDIA製GPU「H200」の対中輸出再開の可否について初期協議を進めていると報じた。同製品は最新アーキテクチャ「ブラックウェル」を採用したB200には及ばないものの、現在輸出が認められているH20より高性能だとしている。
これに対し、中国は国産AI半導体の使用奨励によって対抗している。調査会社カウンターポイント・リサーチのブレイディ・ワン氏は、中国企業がNVIDIAへの依存を減らすため急速に対応を進めているとしたうえで、「これは望んでやっているというより、やらざるを得ない状況だ」と指摘した。
関係者によると、中国はAIモデルの実行や推論用途に限ってNVIDIA製チップの使用を制限し、学習・訓練目的の購入まで全面的には禁止していないという。中国の半導体技術は、AIモデルの运行や応用には対応可能な水準に達しているが、膨大なデータを学習させる訓練工程では、まだ性能が不十分とされている。
一方、米国は主要国との「鉱物協定」を通じた資源確保や、国内での希土類採掘再開を進め、中国による希土類資源の地政学的活用に対抗している。AIと資源を軸にした米中間の覇権争いは、技術、経済、安全保障の各分野でさらに激化しつつある。














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