「トランプ平和協定」発効から2か月で崩壊か…タイ、F-16でカンボジアを空爆
戦闘機を投入し報復爆撃…「クアラルンプール停戦」事実上破棄

ドナルド・トランプ米大統領の仲裁で停戦協定を結んだタイとカンボジアが、再び国境で衝突した。ロイター、AFP、CNNなどによると、タイ軍は8日(現地時間)未明、北東部ウボンラーチャターニーの国境地域でカンボジア軍と交戦し、兵士1人が死亡、4人が負傷したという。
タイ陸軍は「カンボジア軍が先に発砲した」と主張し「我が空軍が直ちにカンボジア側の軍事目標への攻撃を開始した」と明らかにした。
ウィンタイ・スワリータイ陸軍報道官はCNNに対し「カンボジア軍が砲と迫撃砲でアヌポン基地を攻撃し、兵士1人が死亡した」とし「これに対しタイのF-16戦闘機が、チョンアンマ峠一帯にあるカンボジアの武器支援拠点を精密爆撃した」と述べた。
カンボジア国防省は「タイの主張は虚偽だ」と反論し「我が軍は国際法と既存の合意を尊重し、2度の攻撃にも対応しなかった」と主張した。
タイ軍は国境近隣地域の住民約70%を避難させたとしている。両国は前日にも、シーサケートとプレアヴィヒアの接境地帯で銃撃戦を行い、タイ兵2人が負傷していた。
トランプ大統領仲裁の「クアラルンプール停戦」を結んだものの

両国は7月、5日間の武力衝突で48人が死亡し、30万人以上が避難した。その後、トランプ大統領の仲裁により10月末、マレーシアのクアラルンプールで停戦協定を締結した。
トランプ大統領は当時「ASEAN内の平和への転換点」と強調したが、協定締結から半月後、タイ兵が国境地帯で地雷を踏んで負傷したことを受け、タイ政府は協定履行を中断した。
アンワル・イブラヒム・マレーシア首相は声明を出し「タイとカンボジアの交戦に深い懸念を表明する」として「両国は直ちに自制すべきだ」と訴えた。
フン・マネット・カンボジア首相の父で前首相のフン・セン上院議長は「タイの報復誘導に巻き込まれるな」とし、軍に自制を指示した。
今回の衝突により、トランプ大統領が仲裁した「クアラルンプール停戦協定」は事実上、効力を失ったとの見方が出ている。
米世論「トランプの平和は、爆撃で終わった」
CNNやヤフーニュースなど米国のネット世論では今回の事態に対し冷笑的な反応が見られた。ある利用者は「爆弾が落ちているのに、それを平和協定と呼べるのか」と指摘した。別の利用者は「トランプ大統領が終わらせたと主張する8つの戦争の1つではないか」とし「彼の平和はいつも爆撃で終わる」と皮肉った。
一部では「トランプ大統領の協定はいつも不安定だった」「彼の平和仲裁には事後管理がない」との指摘もあり「今回の事態でトランプ大統領の外交成果がまた崩れた」との評価が出ている。















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