
欧州の自動車大国と評されるドイツでも中国製の電気バスが増加している。ドイツ業界首位の公企業までもが中国製バスを大量購入したことで、政界からは愛国心が不足しているとの批判や、さらにはハッキングの危険性を指摘する声も上がっている。
24日(現地時間)、南西ドイツ放送(SWR)などによると、ドイツ鉄道(DB)の子会社「DBレギオ」は最近、中国企業BYDがハンガリー工場で生産する電気バス200台を購入する契約を締結したという。DBレギオは鉄道公企業DBの地域旅客輸送子会社で、ドイツ全土でバス事業も展開している。昨年の実績では年間乗客数が5億6,100万人に達し、この分野ではドイツ最大の事業者だ。
2027~2032年に更新予定のバスのうち、残りの3,100台はフォルクスワーゲン子会社の「MAN Truck & Bus」が供給する。DBレギオは2021年にも中国製電気バス5台を導入した実績がある。しかし今回は調達量が大幅に増加したうえ、最近欧州各国が中国製電気バスのSIMカードを利用した遠隔制御の可能性を懸念している中での決定だけに、論争を引き起こしている。
ドイツのラース・クリングバイル財務大臣はメディアインタビューで「我々の都市ではメルセデス・ベンツとMANの優れた電気バスが長年運行されている」と述べ、「産業立地に対する健全な愛国心を望む」と語った。ヨーロッパ・エコロジー=緑の党のコンスタンティン・フォン・ノッツ院内副代表は「中国指導部の戦略的措置、特に経済政策について我々の情報機関が明確に警告している」と述べ、「入札と供給業者選定に安全保障政策の観点が適切に考慮されたのか疑問だ」と主張した。
オランダの金融機関「ラボバンク」の報告書によると、BYDと宇通客車など中国企業の欧州電気バス市場シェアは2017年の13%から2023年には24%に拡大したという。ただし、ドイツ市場はメルセデス・ベンツの商用車子会社「ダイムラー・トラック」とフォルクスワーゲン傘下のMAN Truck & Busなど自国企業が支配してきた。現在運行中の中国製電気バスは全国合わせても数百台に過ぎない。
しかし、価格競争力に加え品質もドイツ車に劣らないとの認識が広がり、地方の小規模運送業者も中国製バスを相次いで導入している。最近バーデン=ヴュルテンベルク州エーインゲンで中国製電気バスの運行を開始したバス事業者ホルスト・ボッテンスハイン氏(Horst Bottenschein)は、中国製電気バスがドイツ製に比べて約10万ユーロ(約1,841万6,975円)安いと明かした。また「一晩充電すれば翌日一日中運行できる」とし、中国製電気バスがドイツ製を技術的にも上回っていると主張した。
















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