イランの弾道ミサイル保有容認に湾岸諸国が反発
米副大統領「湾岸諸国は合意を歓迎」と説明も、UAEなどは失望
「湾岸諸国もイスラエル同様、協議から排除されたと受け止めている」との見方

米国とイランが終戦に向けた了解覚書(MOU)に署名したことを受け、湾岸諸国では今回の合意に警戒感が広がっている。
アラブ首長国連邦(UAE)政府の高官は18日(現地時間)、米メディアMSナウのインタビューで「非常に失望している」と率直な心境を語った。
UAEやバーレーン、クウェートの政府関係者はMSナウに対し、今回の合意ではイランの弾道ミサイルやドローン開発に何ら制限が設けられていないと指摘した。イランは戦争中、これらの兵器を用いて地域内の空港やエネルギー施設、港湾などを攻撃していた。
ドナルド・トランプ米大統領はイランの弾道ミサイル保有について柔軟な姿勢を示している。
トランプ大統領は前日、エマニュエル・マクロン仏大統領との会談に関連して記者団に対し「他国が(弾道ミサイルを)保有しているのなら、イランだけが多少保有できないのは少し不公平だ」と述べた。
湾岸諸国はまた、対イラン制裁の緩和や凍結資産の解除、戦後補償などを通じてイランの経済力が回復することにも懸念を示している。
一方、JDバンス米副大統領は18日、ホワイトハウスでの記者会見で、終戦MOUに懸念を示すイスラエルを批判した上で、湾岸諸国は今回の合意に「満足するだろう」との見方を示した。
しかし、MSナウは「イスラエルと同様、湾岸諸国もMOU締結の過程でトランプ政権から排除されたと感じている」と報じ「合意形成の過程で目立った役割を果たせなかった」と伝えた。

米中央情報局(CIA)の元中東作戦責任者テッド・シンガー氏は、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相をはじめとするイスラエル政府高官はMOU締結によって自国が何を得られるのかを見極めるため、今後もイランへの圧力を続ける可能性が高いとの見方を示した。
シンガー氏は「イスラエルは間違いなくイランに圧力をかけ、反応を探り、弱点を突こうとするだろう」とした一方で「米国に対して露骨に対立するような行動は避けると予想される」と述べた。
また、湾岸諸国は3,000億ドル(約48兆4,000億円)規模とされるイラン支援基金についても否定的な立場を示している。
中東問題の専門家アフメド・アルクザイ氏は米紙ワシントン・ポスト(WP)のインタビューで「湾岸諸国がこうした約束を容易に受け入れることはないだろう」と述べ「イランへの財政支援が地域の安定を損なうとの懸念が広がっている」と指摘した。
さらに「凍結資産の解除はイランが支援する民兵組織や代理勢力を勢いづかせる結果になりかねない」とし「MOUが抑制しようとした脅威が逆に拡大する可能性がある」との見方を示した。














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