ドナルド・トランプ米大統領が北大西洋条約機構(NATO)加盟国に対し防衛費増額を繰り返し求める中、欧州の同盟国はNATO防衛計画で必要とされる戦力強化を進めている。この先頭に立つドイツは、米国製の主要兵器の共同生産を提案するなど、欧州域内での兵器調達を加速させる方策を推進している。単なる防衛費負担の議論を超えて兵器の調達や生産、供給網の強化へと安全保障協力の重心が移りつつある。

2日(現地時間)英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)によると、米国のマシュー・ウィテカーNATO大使は加盟国が国内総生産(GDP)比5%水準の国防費目標を達成した場合、米国製兵器の調達や防衛産業協力の拡大などで恩恵を受けられるとの考えを示したという。ウィテカー大使は「より多く貢献する国がより多くの利益を得ることになる」と述べ、国防での貢献が大きい同盟国との協力強化を示唆した。
トランプ大統領は昨年1月の政権復帰以降、一貫して欧州の同盟国が米国の安全保障に過度に依存していると主張し、防衛費の増額を求めてきた。最近では、米国がNATOで最大の負担を担っているにもかかわらず、それに見合う役割や待遇を得ていないと訴え、同盟国に安全保障面での貢献拡大を迫っている。
こうした流れの中で、欧州は防衛産業能力の強化を加速させている。FTによると、ドイツ政府は米国側に対し、トマホーク巡航ミサイルやパトリオットPAC-3迎撃ミサイルなどをドイツ国内で共同生産する案を提案したという。米防衛企業の生産負担を軽減すると同時に、欧州域内での兵器確保を迅速化し、安全保障上の不確実性に対応する狙いがある。
ドイツの提案はロシアによるウクライナ侵攻以降に進む欧州再軍備の流れとも一致する。長距離打撃能力や防空システムへの需要が高まる中、中東情勢の不安定化によって米国製兵器の供給遅延への懸念も強まっており、ドイツは主要兵器を欧州で共同生産することで、供給網の安定性と調達速度の向上を図ろうとしている。
欧州各国でも再軍備の動きが続いている。ロイター通信は1日(現地時間)、複数の関係者の話として、欧州の同盟国がNATO防衛計画において米国が削減した戦闘機や無人機、空中給油機、海上哨戒機、駆逐艦などの主要戦力の不足分の大半を補ったと報じた。
NATOの防衛産業投資も拡大する見通しだ。FTによると、NATOのマルク・ルッテ事務総長は「来週の首脳会議で数百億ドル規模の新たな防衛産業契約が発表される」と明らかにしたという。さらに、欧州とカナダが米国防衛企業に発注した注文額は約3,000億ドル(約48兆4,000億円)に達し、米国内で約19万5,000人の雇用を支える規模になると説明した。
ただし、米国と欧州の利害が完全に一致しているわけではない。米国は欧州連合(EU)が進める防衛産業基金が米国企業やEU域外国を排除する形で運用される可能性を懸念している。一方、欧州は防衛産業の自立を目指しつつも、主要兵器システムや技術では依然として米国への依存度が高い。
今月7~8日に開催されるNATO首脳会議では、防衛費増額に加え、米国製兵器の調達や共同生産、防衛産業の供給網拡大などが主要議題として協議される見通しだ。













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