初の正式起訴、独・ウクライナ関係にも波紋

ドイツ連邦検察庁は、2022年に欧州のエネルギー安全保障を揺るがした海底ガスパイプライン「ノルドストリーム」爆破事件について、ウクライナ国家当局が関与したとする見方を正式に示した。数年にわたる捜査を経て、ドイツの司法当局が「ウクライナ国家当局の指示に基づいて実行された作戦」と判断したことで、波紋が広がる可能性がある。
ロイター通信などによると、ドイツ連邦検察庁は6月30日、元ウクライナ軍将校のセルヒー・クズネツォフ被告(50)を、民間インフラへの攻撃に当たる戦争犯罪への加担、爆発の発生、重要インフラの破壊、公共サービスの妨害などの罪で、ハンブルクの裁判所に正式起訴した。検察は、クズネツォフ被告がウクライナ国家当局のために作戦を遂行したとみている。
検察によると、クズネツォフ被告は潜水士や爆発物の専門家、艇長らで構成されるチームを率い、偽造した身分証明書を使ってドイツへ入国した後、帆船「アンドロメダ」を借りた。その後、デンマーク領ボーンホルム島近海の海底へ向かい、軍用爆薬を仕掛けたとされる。爆薬を爆発させた結果、ノルドストリーム1と、建設は完了していたものの稼働していなかったノルドストリーム2が損傷したという。
クズネツォフ被告は昨年、イタリアで拘束された後、ドイツへ送還された。現在は身柄を拘束され、裁判の開始を待っている。被告は全ての罪を否認していると伝えられている。
ノルドストリームは、ロシア産天然ガスをドイツへ直接輸送する主要な海底パイプラインである。2022年9月の爆発後、欧州のエネルギー供給網は大きな打撃を受けた。事件の背景を巡っては、ロシアと西側諸国が互いに責任を押し付け合い、論争は収束していない。
今回の起訴は、ドイツ検察がウクライナ国家当局レベルの関与を初めて公式に明記した事例であり、独・ウクライナ関係にも影響を及ぼす可能性がある。ウクライナ政府は検察発表に対し、「具体的な内容はまだ確認できていない」として慎重な姿勢を示した。事件の詳細を検討した上で対応するとしている。













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