探査機を小惑星に衝突させ
軌道変更する「制御技術」を実証

宇宙航空研究開発機構(JAXA)が5日、天体と地球の衝突を防ぐプラネタリーディフェンス(Planetary Defense・惑星防衛)技術の実証に成功したとメディアが6日に報じた。
プラネタリーディフェンスとは、小惑星や彗星など地球に衝突する可能性がある天体を監視し、衝突を回避するための技術である。地球衝突の危険がある天体に探査機を衝突させて軌道をわずかに変え、地球との衝突を防ぐのが最終目標だ。実際に小惑星の軌道変更を成功させた国はアメリカだけだった。日本はロケット分野ではアメリカ・中国・ロシアなどに遅れを取っているが、小惑星探査は世界トップクラスと評価されている。
実験は5日午後6時30分頃、地球から約1億km離れた小惑星「トリフネ」を目標に実施された。小惑星探査機「はやぶさ2」が相対速度時速約1万8,000kmの超高速で小惑星をかすめる飛行を行った。
はやぶさ2は搭載カメラでトリフネを捉え、複数のセンサーでデータを収集しながら自ら軌道を制御してトリフネ表面から400〜600mの距離まで接近した。JAXAの三桝裕也チーム長は日本経済新聞に「例えるなら沖縄から北海道にある1円玉を正確に当てるくらい難しい」と説明した。
今回の実証はトリフネに直接衝突せず、探査機の軌道をどれだけ精密に制御できるかを確認することが目的だった。アメリカ航空宇宙局(NASA)は2022年に探査機DARTを小惑星に衝突させて実際に軌道を変えることに成功している。はやぶさ2の成功により、日本は世界で二番目となった。
小惑星は太陽系形成初期から太陽の周りを公転してきた小さな天体である。地球近傍を通過する小惑星などの天体は現在までに約4万2,000個が発見されている。小惑星と地球の軌道が重なると衝突の可能性がある。2029年4月には小惑星「アポフィス」が地球から約3万2,000kmの距離まで接近することが知られている。
天体が地球と衝突すると、広範囲の地域が破壊される可能性がある。約6,500万年前に恐竜が絶滅した原因も、巨大な隕石の地球衝突だとする説が最も有力だ。この隕石は直径約10kmだったと推定されている。衝突の瞬間、核兵器数十億発分に相当するエネルギーが放出され、巨大な火災・地震・津波が発生した。その後、塵や硫黄成分が成層圏まで広がり、日光を長期間遮断して75%の生物種が絶滅したと推定されている。メキシコ東部ユカタン半島近くにはチクシュルーブ・クレーターという巨大な衝突痕が残っている。
2014年に打ち上げられたはやぶさ2は2020年に小惑星「リュウグウ」に接近し、地表下の砂などの試料を地球に持ち帰った。その後、残った燃料で他の小惑星を探査しており、トリフネから離れた後は地球の重力を利用して飛行を続け、2031年には地球と火星の間に位置する小惑星「1988KY26」の探査を目指している。














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