ソウル大・韓国芸術総合学校出身…10年間の教壇を離れ俳優に挑んだキム・シンロク

韓国人俳優キム・シンロクは、芸能界でも異色の経歴を持つ俳優として知られている。ソウル大学、漢陽大学(ハニャン大学)大学院、韓国芸術総合学校で学び、大学などで約10年間演技を教える安定した生活を手放して演技の現場へ飛び込んだからだ。大衆には『財閥家の末息子~Reborn Rich~』のチン・ファヨン役や『地獄が呼んでいる』のパク・ジョンジャ役で強烈な印象を残し、「遅咲きの実力派俳優」として知られているが、その陰には、演技という本質を追求し続けた長い無名時代があった。
キム・シンロクはソウル大学卒業後、すぐに演劇の街である大学路(テハンノ)の舞台に立ち主演を務めたが、当時の自分の演技について「とても未熟で、周囲に迷惑をかけていた」と振り返った。その物足りなさが、再び学びの道へ進むきっかけとなった。演劇全般への理解を深めるため漢陽大学の大学院で修士号を取得し、その後は演技の実践と身体訓練に専念したいとの思いから、韓国芸術総合学校演劇院の芸術専門士課程へ進学した。
学びへの探求心は韓国国内にとどまらなかった。2011年には韓国文化芸術委員会の支援を受けてヨーロッパや米国の劇団を訪れ、ワークショップに参加した。その後、ニューヨークの劇団が実技学校を開設することを知ると、韓国で暮らしていた住居の保証金を全額引き出し、米国留学を決意した。当時についてキム・シンロクは、「お金を稼がなければならないという焦りよりも、演技を学ぶこと自体がとても楽しかった」と述べた。

30代の大半を教育現場と講壇で過ごしたキム・シンロクは、31歳から39歳まで約10年間、大学などで教壇に立った。安定した収入と社会的地位が保証された環境にあったが、40歳を前に講師の仕事を辞める決断を下した。
YouTubeチャンネルや各種メディアのインタビューでは、その理由について「幼稚園の頃から39歳まで、人生のほとんどを学校という制度教育の枠の中で過ごしてきたことに息苦しさを感じていた」と明かした。
「私の時間の軸は、いつも夏休み、冬休み、1学期、2学期という区切りで流れていた。この決められた時間の流れから抜け出し、世の中の別の時間軸の中で生きてみたかった」

講師の仕事を辞めたキム・シンロクは、2020年のドラマ『謗法~運命を変える方法~』で本格的に注目を集めるようになった。続く2021年にはNetflixシリーズ『地獄が呼んでいる』で、切実な母性愛を抱くパク・ジョンジャ役を熱演し、視聴者と批評家の双方から高い評価を得た。さらに2022年の『財閥家の末息子~Reborn Rich~』では、傲慢さと弱さを併せ持つ財閥家の娘チン・ファヨンを立体的に演じ、「信頼できる俳優」としての地位を確立した。
安定した教育者としての道にとどまることなく、自ら演技の現場へ飛び込み実力を証明したキム・シンロク。その歩みは、確固たる信念と演技への飽くなき探求心が、大きな成果へとつながることを示した好例と言える。













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