空腹状態での運動には注意が必要だ。
多くの人は体重を減らすために、朝の空腹時に有酸素運動を行うことが最も効果的だと考えている。13時間以上の空腹状態で運動を行うと、体が脂肪をエネルギー源として使い、体重減少が促進されるからだ。
しかし、空腹時の運動は本当にいつでも有効なのだろうか?
イギリスのノッティンガム・トレント大学の研究によれば、空腹時に運動を行うと、最近食事を摂った人に比べて脂肪酸化率が高まることがわかった。しかし、エネルギー不足により運動のパフォーマンスが低下し、運動への楽しみが減少するという副作用も確認された。

ニューヨーク工科大学の運動科学プログラムのコーディネーター、アレクサンダー・ロスティン氏は、空腹時の運動が短期的には脂肪燃焼を促す可能性があるものの、長期的には総脂肪燃焼量が減少するリスクがあると指摘している。2022年の研究では、7時間の断食後に夕方に運動を行った人々のパフォーマンスは、断食しなかったグループよりも低かった。これは、エネルギー不足が運動の持続性を低下させる可能性を示唆している。
専門家たちは、空腹時の運動が低血糖や脱水症状を引き起こし、めまいや疲労感を伴う可能性があると警告している。また、エネルギー不足の状態で重い器具を扱うと、怪我のリスクも高まる。したがって、軽いスナックを摂取してから運動を始めることが推奨される。
また、朝は体温が低く、関節や筋肉が硬直しているため、ストレッチとウォームアップが不可欠だ。これを怠ると怪我のリスクが増える。さらに空腹状態で長時間有酸素運動を行うと、体内のタンパク質がエネルギー源として使われやすくなり、筋肉の損失を招く恐れがある。筋肉量が減ると基礎代謝が低下し、かえって体重減少が難しくなることもある。

空腹時の運動が有効な場合もある。特に内臓脂肪が多い人や筋肉量が多く体脂肪を落としたい人にとっては、一定の効果が期待できる。しかし、糖尿病患者や血糖値のコントロールが必要な人には推奨されない。空腹時の運動はコルチゾールというストレスホルモンの分泌を促し、血糖値を上昇させるリスクがあるからだ。
朝の運動時には、バナナとピーナッツバター、ヨーグルトと果物など、軽い炭水化物のスナックを摂取することが勧められている。これにより、運動中のエネルギー補給ができ、パフォーマンスが向上し、運動後のバランスの取れた食事で体力を回復できるだろう。
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