「なにもしたくない。すでになにもしていないが、日常を離れてぼんやりとしていたい。」
長時間ぼーっとだけしている人が優勝という「ぼーっとする大会」が韓国で開催された。
12日午後4時、ソウル市瑞草区盤浦漢江公園(ソチョ区バンポハンガン公園)で開催された「ぼーっとする大会」には80余りのチームが参加した。
特に今年は10周年を迎え、当初の予定よりも参加者を10チーム増やし、35対1の競争率を勝ち抜いた大会の参加者たちは90分間、行動はもちろん、何も考えない「ぼーっとした」状態を保つために努力した。
当然話すことは禁止されており、代わりにカラーカードを提示し、水を飲む、扇風機を使うなどの意向を示して、健康に問題がないように4種類の基本的なサービスを受けた。
参加者が着けている腕輪型の心拍計を15分ごとに確認し、心拍数が安定しているか、徐々に下がっている場合は「ぼーっとした状態」と判定された。
また、会場で大会を観覧した市民の投票を合計し、1位から3位と特別賞の受賞者を選出する。
参加した市民の年齢層は小学生から60代まで様々だった。職業もプログラミング言語学者、航空整備士、消防士など様々で、アメリカ人の精神科医など、外国人も4名参加した。
観客からの芸術点を意識し、個性的な服装をした参加者も少なくなかった。頭に笠をかぶった参加者、後ろに孟子の教えのようなテキストがプリントされたTシャツを着た参加者などもいた。
他にも、オリンピックのメダリストでショートトラック選手のクァク・ユンギやパク・ジョンヒョン、ソ・ボムソク、ガールズグループ「Billlie」の日本人メンバーであるツキ、130万人以上の購読者を誇るYoutuberのミミミヌなども参加し、注目を集めた。
この日、最初の脱落者は、開始から35分後の16時52分に自らリタイアした。参加者で解剖学を専攻する大学生のホン・ジウ氏(24歳)は、「1位を目指して笠も持ってきたが、思っていたより簡単ではなかった」と感想を述べた。
この日の大会では女性フリーアナウンサー、クォン・ソア氏(36歳)が優勝に輝いた。クォン氏はアナウンサーの他にも外国語教師など、複数の職業を並行しており、「(今日も)普段通りにぼんやりしていた」と優勝の感想を語った。
このイベントは、「何もしないことも価値ある行動」であるというメッセージを伝えるため、2014年から始まった。