メインメニューへスキップ(上段) メインコンテンツへスキップ メインメニューへスキップ(下段)

精神疾患の初期の「見過ごされがちなサイン」、専門家が警告する「幻覚より先にくるもの」とは?

望月博樹 アクセス  

妄想を引き起こす「予測エラー」の蓄積が幻覚につながる

引用:Shutterstock*この画像は記事の内容と一切関係ありません
引用:Shutterstock*この画像は記事の内容と一切関係ありません

精神疾患の患者は、現実とのつながりが薄れ、妄想や幻覚を見ることが多い。一般的には、初期段階で妄想的な思考を引き起こすと考えられてきた。妄想とは、明らかに矛盾する証拠があるにもかかわらず生じる異様な思い込みを指し、幻覚は実際には存在しないものを知覚することを意味する。

しかし、『生物精神医学(Biological Psychiatry)』に発表された研究によると、精神病の初期段階では幻覚より妄想が先行して現れる傾向があるという。

米イェール大学の研究チームは、3つの大規模コホートから得られたデータを分析した。そのうち2つのデータセットは、精神病発症リスクが高いと判断された個人を対象としたプロジェクト「北米前駆症状縦断研究(North American Prodrome Longitudinal Study)」から抽出。3つ目のデータセットはカナダ・モントリオールにある精神病予防プログラムの参加者を対象とし、初めて精神病を発症した参加者たちの情報が含まれている。研究チームは参加者の症状の重症度、発症時期、発生頻度などを評価した。

研究の結果、3つのデータセットすべてにおいて、参加者の多くが初期段階で妄想と幻覚の両方を経験していたが、いずれか一方の症状だけを示す人々の中では、妄想の方が多かった。また、両方の症状を経験した人においても、幻覚より先に妄想が出現するケースが多数を占めた。

研究チームは「この結果は、計算論的神経科学に基づく新しい精神医学理論と一致している」と述べ、「人々が世界について学習するプロセスの混乱が妄想の発生につながる」と説明している。

このプロセスは「予測処理(predictive processing)」として知られており、個人が世界に対して抱く期待と現実の経験が一致しない場合、脳が期待を修正しながら学習していくメカニズムである。

研究を主導したアルバート・パワーズ博士は、「予測が外れたとき、脳は新しい信念を形成するか、既存の信念を修正するよう命令を受ける」とし、「これは私たちが現実について理解し、何が起きているのかを予測する助けになる。予測とその誤差が、その過程を主導する」と述べている。

精神疾患を抱える人々は、脳の神経伝達物質のシステムに機能障害が生じると、大脳皮質が過剰に興奮し、システムに「ノイズ」が混入する可能性がある。こうしたノイズは、実際の新しい環境変化ではなく、誤った予測エラーとして学習され、結果的に妄想の形成へとつながる。その結果、現実と乖離した信念や妄想が形成される。

このようなノイズによる誤学習が積み重なることで、脳は新しい情報を信頼できなくなり、ついには幻覚を引き起こすようになる。妄想は微妙な疑念や不安感から始まり、徐々に強まる傾向がある。幻覚も最初はかすかな囁きや雑音といった曖昧な感覚として始まり、最終的には明確な声として聞こえるようになる。このような緩やかな進行により、初期症状を示した人々のうち約20%が、実際に精神病を発症するという結果につながるという。

望月博樹
CP-2023-0364@fastviewkorea.com

コメント0

300

コメント0

[健康] ランキング

  • 【衝撃】「母乳に潜む毒」…マイクロプラスチックが免疫を崩壊させる!
  • 【117歳の秘密】 世界最高齢女性の体内で見つかった“若返り遺伝子”…科学が解明した長寿の秘訣とは
  • 「寝室の明かり」が心臓に負担をかける?女性や若い世代で影響が大きい傾向、最新研究が報告
  • 「幼少期の腸内細菌が将来の不安とうつを左右する!」UCLA研究が明らかにした、腸と脳の驚きの関連性
  • 【衝撃】白髪は“がん細胞”と戦った証?東大研究「髪の色を犠牲にした体の防衛反応」
  • 「富裕層の病から貧困の病へ…」世界で広がる肥満危機、国連が深刻警告

こんな記事も読まれています

  • 【革命】「走る家電の時代か?」…シャープがEV市場に殴り込み!動くリビング「LDK+」第2章
  • 「もうガソリンいらない?」日産の“リチウム空気電池”が実現する2500km走行の現実
  • “ラングラー&ブロンコ退け!”…ホンダHRC「パスポートHRCコンセプト」が砂漠で吠える
  • 【挑戦状】BYD『ラッコ』登場!“軽の聖域”の日本市場で通用するのか…中国EVの本気が見えた
  • 「地上350メートルにサッカースタジアム!?」サウジの“空中W杯計画”に世界が騒然
  • 散歩中に迷子になった犬、ひとりで“7番バス”に乗って帰宅!?
  • 【奇跡の再建】飲酒運転事故で「顔の半分」を失った男、3Dプリンターが“人間の尊厳”を蘇らせた
  • 「神の試練か狂気か」顔に包丁、舌に斧…プーケット“菜食祭り”が世界を震撼させた

こんな記事も読まれています

  • 【革命】「走る家電の時代か?」…シャープがEV市場に殴り込み!動くリビング「LDK+」第2章
  • 「もうガソリンいらない?」日産の“リチウム空気電池”が実現する2500km走行の現実
  • “ラングラー&ブロンコ退け!”…ホンダHRC「パスポートHRCコンセプト」が砂漠で吠える
  • 【挑戦状】BYD『ラッコ』登場!“軽の聖域”の日本市場で通用するのか…中国EVの本気が見えた
  • 「地上350メートルにサッカースタジアム!?」サウジの“空中W杯計画”に世界が騒然
  • 散歩中に迷子になった犬、ひとりで“7番バス”に乗って帰宅!?
  • 【奇跡の再建】飲酒運転事故で「顔の半分」を失った男、3Dプリンターが“人間の尊厳”を蘇らせた
  • 「神の試練か狂気か」顔に包丁、舌に斧…プーケット“菜食祭り”が世界を震撼させた

おすすめニュース

  • 1
    「正気か」恋人の娘を殺害後に笑った20代保育士…法廷での態度に怒りの声

    トレンド 

  • 2
    スペイン沖で6.5トンのコカイン摘発…DEA協力の“国際麻薬ルート”一網打尽

    トレンド 

  • 3
    「命を落とすAI? 」ChatGPTの医学助言で中毒死…専門家“25%は虚偽情報”と警告

    トレンド 

  • 4
    【奇跡のVポーズ】 ハムスター“もち”が完璧なカメラ目線…SNSで「天才的に可愛い」と称賛

    おもしろ 

  • 5
    “電動キックボードに家族4人”写真が物議…「命知らず」「正気とは思えない」と批判殺到

    トレンド 

話題

  • 1
    【未来の足】 ナイキ、「電動シューズ」で歩行効率20%アップ…“第2のふくらはぎ”が動き出す

    IT・テック 

  • 2
    一枚の写真が映した“二つの世界”…幸せに微笑む犬と、檻の中で光を失った犬

    フォトニュース 

  • 3
    【革命】「走る家電の時代か?」…シャープがEV市場に殴り込み!動くリビング「LDK+」第2章

    モビリティー 

  • 4
    「海の真ん中”に立つ宿?」ヘリでしか行けない極限体験、9万円でも泊まりたい人続出

    トレンド 

  • 5
    「もうガソリンいらない?」日産の“リチウム空気電池”が実現する2500km走行の現実

    モビリティー 

シェア

[cosmosfarm_share_buttons url="https://dailyview.net" title="ピッコン" align="center"]