メインメニューへスキップ(上段) メインコンテンツへスキップ メインメニューへスキップ(下段)

日用品に潜む静かな殺し屋…世界で35万人が死亡、プラスチック添加剤と心臓病の恐るべき因果関係

荒巻俊 アクセス  

化粧品、おもちゃ、食品容器に使用されるフタル酸エステルが心臓疾患と関連

引用:Shutterstock*この画像は記事の内容と一切関係ありません
引用:Shutterstock*この画像は記事の内容と一切関係ありません

日用品や化粧品に含まれる化学物質が、毎年全世界で数十万人の命を脅かしているとの研究結果が発表された。この研究によると、フタル酸エステル(phthalates)が心臓疾患による死亡と関連しており、2018年だけで世界中の約35万6,000人がこの化学物質により死亡したと推定されるという。

フタル酸エステルは、プラスチック製品をより柔らかく柔軟にするために使用される物質で、医療機器やプラスチック製のおもちゃ、食品容器のほか、化粧品、シャンプー、香水、洗剤、ヘアスプレーなど多様な製品に広く使用されている。この物質は微細な粒子に分解されて人体に吸収され、頻繁な曝露が健康被害を引き起こす可能性があることが判明した。

これまでの研究によると、フタル酸エステルへの曝露は肥満、糖尿病、不妊、がんなどの様々な健康問題のリスクを高めることが示されている。今回の研究では、特に心臓疾患との関連性に注目した。

米ニューヨーク大学ランゴーン・ヘルス(NYU Langone Health)の研究チームは、今回の研究で、ポリ塩化ビニル(PVC)の可塑剤として使用されるフタル酸ビス(2-エチルヘキシル)エステル(DEHP)というフタル酸エステルの一種に着目した。

研究チームは、200カ国・地域から収集した健康・環境データと尿サンプルに含まれる化学物質の代謝産物を分析した。その結果、DEHPへの曝露により、2018年に55~64歳の年齢層で35万6,238人が心臓疾患で死亡したと推定された。これは、世界の心臓疾患による死亡者の13%以上を占める。

DEHPによる死亡者数は、地域によって差があった。フタル酸エステルが世界中で広く使用されているにもかかわらず、死亡者の4分の3がアジアと中東地域に集中していた。インドでは、最多である10万3,587人の死亡者が発生しており、中国とインドネシアがそれに続いた。研究チームは、これらの国でプラスチック生産が急増しているが、他の地域に比べて製造関連の規制が少ないため、曝露の可能性が高いと分析している。

過去の研究によると、DEHPへの頻繁な曝露は、過剰な免疫反応や心臓の動脈に炎症を引き起こす可能性があることが示されている。これは時間の経過とともに心臓発作や脳卒中のリスクを高める。

研究チームは「今回の研究は、フタル酸エステルと世界の主要な死因との関連性を強調することで、これらの化学物質が人体の健康に重大なリスクをもたらすことを示す新たな証拠となる」とし、「特に、急速な工業化とプラスチック消費の影響を最も受けている地域で、これらの物質への曝露を減らすために世界的な規制する必要がる」と強調した。

研究チームは、今回の研究では55~64歳の年齢層のみを分析対象としたため、これらの化学物質に関連する心臓疾患の全死亡者数はさらに多いと指摘している。

ただし研究チームは、今回の研究結果が、DEHPが心臓疾患を引き起こす唯一または直接的な原因であることを示すものではないと認めている。

研究チームは今後、フタル酸エステル曝露の減少が時間の経過とともに世界の死亡率にどのような影響を与えるかを追跡し、早産などの他の健康問題に関する研究を拡大する計画だ。

この研究結果は、国際学術誌『eバイオメディスン(eBiomedicine)』に「Phthalate exposure from plastics and cardiovascular disease: global estimates of attributable mortality and years life lost(プラスチックからのフタル酸エステル曝露と心血管疾患:帰属死亡率と失われた年数の世界的推計)」というタイトルで掲載された。

荒巻俊
aramakis@kangnamtimesjp.com

コメント0

300

コメント0

[ライフスタイル] ランキング

  • SNSを使うほど集中力が落ちる、子ども8,300人追跡で見えた危険
  • 女性のおならは“最強レベル”? 臭いが強いほどアルツハイマーは遠ざかる衝撃
  • あなたの朝に潜む“重金属カクテル”…再沸騰の恐怖を家電の専門家が暴いた
  • 「日本人も対象?」出国税3倍で国民困惑、政府の説明は…
  • アルプスの静寂に“鉄の塔”、65階建てで景観崩壊の恐れ…地元が猛反発
  • 「毎晩食べると骨がスカスカになる!?」専門家も警告、日本人が夜に食べがちな“危険食品リスト”

こんな記事も読まれています

  • 謎の“3台シルエット”出現!トヨタが隠していた真の後継機はどれだ
  • 「高速走行後の1分サボりが愛車を壊す」最新ターボ車でも進む焼き付きの真実
  • トランプ「新車は安くなる」燃費規制を“大幅緩和”…EV時代に急ブレーキ
  • 「四輪同時交換は無意味だった?」プロが隠してきたブレーキパッドの真実
  • 「世界で最も評価の低い料理100選」で韓国料理が“ワースト入り”中には”公衆トイレの匂い”との評価も
  • 「何見てんだ?」人を噛み殺し警察をにらみつけた“暴力団猿”を公開手配
  • また放射線のせい?チェルノブイリ“青い犬”を突然変異扱いした憶測の行方
  • 救助隊も困惑…洪水で孤立しながら「ペット優先」を貫いた女性の選択に賛否噴出

こんな記事も読まれています

  • 謎の“3台シルエット”出現!トヨタが隠していた真の後継機はどれだ
  • 「高速走行後の1分サボりが愛車を壊す」最新ターボ車でも進む焼き付きの真実
  • トランプ「新車は安くなる」燃費規制を“大幅緩和”…EV時代に急ブレーキ
  • 「四輪同時交換は無意味だった?」プロが隠してきたブレーキパッドの真実
  • 「世界で最も評価の低い料理100選」で韓国料理が“ワースト入り”中には”公衆トイレの匂い”との評価も
  • 「何見てんだ?」人を噛み殺し警察をにらみつけた“暴力団猿”を公開手配
  • また放射線のせい?チェルノブイリ“青い犬”を突然変異扱いした憶測の行方
  • 救助隊も困惑…洪水で孤立しながら「ペット優先」を貫いた女性の選択に賛否噴出

おすすめニュース

  • 1
    「要塞線、ついに瓦解」ロシアが激戦地シヴェルシク制圧宣言…プーチン「計画通りだ」

    ニュース 

  • 2
    「トランプ、日本を裏切る」日中対立に“双方と良好”と傍観…最盟友への支持は微塵もなかった!

    ニュース 

  • 3
    「なぜこんなに早く来た」早朝出勤を続けた社員が解雇された理由

    トレンド 

  • 4
    「14年間の選手生活より稼げた」...美女テニス選手、負傷で低迷も“動画配信”で4億円超えの衝撃収入!

    トレンド 

  • 5
    「米国と距離を取るEU」ロシア中銀資産38兆円を無期限凍結…トランプの‟対露融和”を封じ込め

    ニュース 

話題

  • 1
    「ノーベル平和賞受賞者は姿を見せなかった」自由を求め亡命同然で脱出した理由

    ニュース 

  • 2
    「武装兵が国営TV乗っ取り、クーデター宣言!」“大統領追放”を生中継した国とは?

    フォトニュース 

  • 3
    「突然の裏切り」メキシコ、最大50%関税で‟中国排除”へ…北京激怒!

    ニュース 

  • 4
    「親ロシア政権は出て行け!」怒号に揺れたブルガリア…首相、就任1年未満で辞任

    ニュース 

  • 5
    「宇宙人が捕まった!?」 人間の顔に見える子ザメ、インドネシアの海で発見

    トレンド 

シェア

[cosmosfarm_share_buttons url="https://dailyview.net" title="ピッコン" align="center"]